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聖魔戦記  作者: 西條
始まりは雷鳴と闇
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不気味なディスピア


 ゴブリと格闘すること十分。ようやく全てのゴブリを始末した。


 倒した数は全部で三十は超えるだろうか。地面はゴブリの血を吸い赤黒く染まりレッドカーペットを彷彿とさせる。


『ぷぎ……っ』


 足元に転がっていたゴブリが鎌で裂かれた腹を押さえながら小さな悲鳴を漏らした。



「まだ生きてたか……」


 しゃがみ込みゴブリを見つめる。ゴブリは焦点が定まらない目でガタガタと身体を震わせ私に恐怖していた。



「ごめんな。ゴブ公。痛くないように一発で仕留めるのが私のポリシーなんだが……。 私もまだまだだぜ」


 鎌でゴブリの首を刎ねた。このザクリという感触は未だに慣れない。


 息の根を止めるとゴブリの死体は黒い灰へと変わり空へと舞いあがる。


 悪魔の亡骸はすぐに黒い灰――《闇の瘴気(ドンケルハイト)》へと変わる。闇の瘴気は死んだ悪魔の怨みや怒りなどの負の感情から成っているらしいが、太陽の光を浴びるとすぐに消失してしまう為、害はないとされている。





「貴女、お優しいのですね」





 背後を振り返ると一人の女が立っていた。




 黒を基調としたドレスを身に纏った年上の女。


 表情は眉を吊り下げ口元はニヤニヤと。困っているのか、笑っているのかよく分からない表情。それ以前にこの女の気配が全く感じ取れなかった。外見、雰囲気どれをとっても不気味だ。



「あらあら、そんなに驚かないでくださいな」


「お前は誰なんだ?ゴブリ愛護団体の人間か?」


「ふふふ……誰でしょうか?」


 新緑のような深緑の髪を靡かせながら女は困った顔で言った。疑問形を疑問形で返し尚且つこの余裕ぶった発言に私は大層腹を立てる。本来ならば一発ぶん殴ってやりたいところだが初対面相手にそれは無いだろう。と殴り飛ばしたい衝動をグッと抑えた。



「疑問形に疑問形で返すな。なんかムカつく」


「あらあら、そう怒りなさらずにー」


「じゃあ答えろ。お前は誰で、なんでこんな場所にいる」



「私に「名前」と言うのは必要ありませんがどうしても名で呼びたいのならば「メリーさん」と気軽に呼んでくださいな。……なんでここにいるかって? うふふ。何故でしょうねぇ?」


 メリーさんと名乗る謎の女の疑問返しに呆れた私は黙る事にした。それが一番得策で何よりメリーさんを相手にすると疲れが溜まる一方だ。



「あらあら、黙りましたかー。まぁそれが良いでしょう。では……」




 メリーさんは右手の人差し指を私に向けた。




 嫌な予感がする――。そう感じた私はメリーさんから離れようとするがそれより早くメリーさんの人差し指から電撃が放射される。




「――――ぐ、ッ!」



 人差し指から放たれた電撃は目の前にいた私に直撃した。



 全身が焼けるように熱い。電撃というよりは全身を鞭で叩かれているという表現に近い痛み。



 鎌でメリーさんの電撃を止めようとするが手足の痺れが酷く、動かない。握る事さえ困難で手から鎌が落ち影の中に溶け込む……。


 数秒で電撃は止まり、私は地面に倒れこんだ……。全身がしびれ全く動かない。精々首を動かせるのがやっとだ。



「ふふっ、やり過ぎちゃったかしら?」


「こ、殺す気かよ……」



 痺れすぎて舌さえもまともに動かない。一歩間違えれば死んでいたかも知れないと言うのにこの女、メリーさんは口を歪めクスクスと笑っていた。



(くそ……やっぱ最初にぶん殴っとけばよかった!)


 口に出すと電撃を喰らいかねないので心の中で文句を言う。とんだドSだ。



「ふふ♪お喋りはこれくらいにして私は他の生徒たちを捜すとしましょう。では御機嫌よう?」


 平然とその場を去ろうとするメリーさんに私は「ちょっと待て!」と怒鳴るがメリーさんは笑いながらどこかに行ってしまった。嘘だろ?え?マジ?放置?


「おい!このビリビリいつになったら消えんだよ!せめて治そうぜ!? おい!おーーい!!」





こんばんは、西條です。


現在投稿している聖魔戦記ですが実はこれ4年くらいの前の作品なんです。

オレ天は1年くらい前ので、つまりこれが西條の処女作なのです。

なんかいやらしいですねー。

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