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聖魔戦記  作者: 西條
始まりは雷鳴と闇
14/36

Who am I?



「い……いや……!」





 どうしてこんな大事なことを今まで忘れていたんだ。忘れていた自分が愚かしい。これでは死んだレンカに顔向けできない。



 私は戦闘体勢を解き、頭を押さえた。



(で、でも……そもそもこんな事、普通忘れたりする……っ?)


 

 普通は心に深く、鮮明に残るはずだ。

 

 なのに私はこんな出来事無かったかのように今まで平和にのうのうと暮らしていた。



(そもそも……いつから、私はのうのうと暮らしてたんだっけ?)



 疑問を解決しない内にまた次から次へと新たな疑問は浮上する。考えてもキリが無い。


 いつから私はユカリの家に暮らしていたのだろう?とか。私ってこんな寡黙系キャラな喋り方だったっけ?とか。


 いくら考えても疑問は解決しない。むしろ謎は深まるばかり。


 一番の疑問はやはり《異端者》についてだ。レンカは異端者によって殺されたといってもいい。《異端者》聞き覚えの無い言葉。




 でも、私は《異端者》を知っている――。 多分会ったこともある。なんとなく、そんな気がするだけだが。


 マドカ・ルミナスが知っている自分――ちょっぴり抜けていてちょっぴりお茶目な……そんな極ありふれた女子だと思っていた。





 だけど、それは、違った。






 私はいつから『マドカ・ルミナス』だったのか――常識レベルの事すら覚えていない。ましてやユカリと出会う以前の記憶すら無い。忘れているわけでは無い。言い表すと「記憶がすっぽりと抜けている」というあやふやな答えしかない。


 そんな自分の事すら分からない女の子を「ちょっぴり抜けていてちょっぴりお茶目な……そんな極ありふれた女子」と言えるだろうか?ちょっぴり抜けている、ぐらいしか当て嵌まって無いじゃないか。






 クラインと戦い極限状態に追い込まれた私は昔の事を一つだけ思い出した。


自分に関しての謎が一気に浮上したが一つだけ分かった事がある。これだけでも大きな収穫。







――『自分はマドカでは無い。』




 


 突拍子も無い話だ。なんだか腹の底から笑えてくる。








「――ははっ」



「おい。いきなりどうした」


 私の力無い笑いに対しクラインは心配してくれているのか口を開いた。彼はサングラスをしていて表情が読み取りにくいが今は「心配してくれてる」というよりも「なに笑ってんだこいつ」という感じだ。







「私って、誰だろう?」







 そう言うと急に体の力が抜け、地面へとへたり込む。手足の自由がきかない。思考があやふやのくるくるでどろどろになる。


(どうしたんだろう……わたし)


 まっ、いいか。考えるのがめんどくさくなっちゃった。と考えるのを止め私の意識は誰かに交代するように深い深い、闇の中へと落ちていった……。




◇◇◇◇


西條初めての英語タイトル。

英語と数学が糞苦手なんでLINE英会話に「私は誰?」とぶちこみそのままコピペしました。



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