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風呂場の悪夢
気づくと私は夢の中にいた
立っていた場所は家のドアの前でもなく
リビングでもなく風呂場だった
私は今すぐこの場から逃げたいと思い
風呂場のドアに手を掛け開こうとした
だが開かない
鍵がかかっているわけでもないのだが開かない
少し冷えた湯気が私の体にまとわりつき少し寒気がした
「寒っ……」
私はふと後ろを向いた、湯船から温かそうな湯気が上がっている
「少しだけなら……」
そう言い私は足の向きを湯船へと向けた
チャポン
私は左足をまず入れた
すると左足に触れたお湯からだんだん血へと変化していった。まるで墨のついた筆を水に入れてみた如く……
「ひっ……」
まさかこんなにも早く血になるとは思ってもいなかった。私は即座に足を血から引き抜き
風呂場のドアへ手を伸ばした
「ひらいて……っ」
私の願いがかなったのかドアは開いてくれた
血を流すためにシャワーで流そうかと思ったが
血が出てきたら困るため私は風呂からあがり
タオルで足についた血を拭き取った