右腕の喪失
「はぁ……はぁ……」
私は全身汗をかいていた
「大丈夫ですか……?脳波が異常な反応がしたのですぐに起こしたのですが……」
あ…起こしてくれたのか………
私は試しに夢の中で血がついた右肩をあげようとした。
あがらなかった
「…うそ………」
信じたくなかった
「どうしたのですか!?」
「あがらない……右肩が………あがらない」
「………夢は怖かったですか?」
予想外の質問だ
「……はい……夢の世界に入ってしまった時からずっと恐怖心はありました………」
「…しかし…脳波はまるで心地よい夢を見ているような感じでしたよ、最後少しだけ反応が変わったので起こしたのですが……」
「最後………あっ!」
そう言えば私は最後声をあげたはずだ
「何かわかりました?」
「最後夢から覚める前確か『きゃっ』って声を出してました……」
「なるほど……ならば少しの変化は起こりえます……すみません……私のせいで……」
謝りながら彼は私の右手を両手で握ってくれた
「いえいえ……あなたのせいじゃないですよ……………あなたの手はきっと温かいんだろうなぁ……」
右手の感覚がない今、手に伝わる温かみが分からなかった
「……貴女の手もあったかいですよ。ポカボカしててまだ右手は動きたいと言ってるようです」
その時目から一粒の涙がこぼれた
「あ……」
手で拭こうとしたけどもう動かないことを思い出し、こぼれる涙はそのままにした
その時だった
彼がポケットからハンカチを取り出し私の涙を拭いてくれたのだ
「ありがとうございます」
私は素直に感謝の言葉を口にした
「いえいえ、泣きたい時があったらいつでも泣いてください。その時はまた拭いてあげますから」
また涙がこぼれた
そしたらしっかりと拭いてくれた
私は彼の目にクマができているのに気がついた
「そのクマってもしかして……」
そのとき、窓も閉まっているのにどこから入ってきたのか、風によってカーテンが揺れた
彼は苦笑し、答えた
「これですか?これは毎日の研究でなったものですよ」
彼は笑いながらそう言ったが嘘だということにすぐに気がついた
なぜなら昨日話しているとき彼の目にはクマはなかったからだ…
私のために一晩中起きてたのだろう
「寝ててもいいですよ」
「いやいや滅相もないもしもの時のために起きとかないと」
「そのもしものときのために寝ててください。多分あの夢を見ることが関係してると思いますし、私はそんなに寝坊助さんじゃないですから」
「わかりました…それならお言葉にあまえて…」
そう言い彼は近くの椅子を集めてつなげそのうえに横になり寝た
「おやすみなさい」
私はふと窓の外を見た
2羽の雀が仲良く空を飛んでいた