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ブルークラスタ・イン・ワールド  作者: 天地
03 シティーライフ
10/20

02

「アリア、そっちはどうだ?」

「だいじょうぶ」

 どこか舌っ足らずだが、自信ありげな言葉。失敗を誤魔化すとき特有の、声が震えたものではない。それに満足しつつ、ノスも次の作業に移っていった。

 彼の足下に転がっているのは、布の山だった。近くには、折りたたまれて重ねられた、足下のそれよりは幾分整頓された山がある。

 ノスは足下の山から布を取り出して、針を通し始めた。非常に面倒だし正直やりたくないが、しかしやらないわけにもいかなかった。できなければ、明日の食事にだって困るのだ。

 見れば、アリアの足下も似たような状況だ。彼女の場合は、無数のビーカーと試験管。横に並べられているのは、魔力で強化済みのガラスに入った、不気味な色の液体。飲めば病気になりそうだ。

(あー……かったりいなあ)

 口に出さないのは、少女が黙々と作業をしているからだった。

 気を散らしながらアリアを見れば、表情は真剣そのもの。文句一つ言わずに、調薬を繰り返している。彼女と自分を比べてみる。真面目な少女と、いかにもだめな大の男。これで文句など吐こうものならば、みっともなくてやってられない。

(けどなあ、畜生。目が痛ぇ)

 細かい作業をするのはいい。だが、それを見続けた目は、限界を訴えていた。針先を見つめる目が、頻繁に霞む。何度か指を指してしまったくらいだ。まあ、針は皮膚を貫通できなかったので、ダメージ自体はないのだが。

 目の疲れは、とっくにピークだ。だが、気を抜くこともできない。次のもう少しまともな仕事に繋がるまでは。

(まあそれでも、こんな所に住んでて、明日を食いつなげる仕事があるだけマシなのかもしれんけどな)

 と、眼精疲労回復の名目をとりつつ、室内を見回した。そこは、どう取り繕っても、ぼろくて汚い。壁には多数、いい加減に補修された後があり、曇った窓がひび割れている。光源もなかったので、魔法で作ったものを利用していた。

 広さだけはそれなりにある。良いところは、あと風呂が備え付けてある所だけだ。そもそもこれでも大分ましになっており、来た当初は壁から光が漏れていた。素人の作業丸出しな補修は、ノスの手で行ったものである。

 できるならば、当然まともなところに済みたかったのだが。

 金がない、しかも冒険者に借りられる家など、たかが知れている。当たり前だが、身元不明のアウトローを、一般住居区に住まわせる訳がなかった。

 魔法を使い、なんとかセキュリティだけは確保している。そいういう意味でだけは、安心して暮らせるようになっているが。結局はそれだけだ。他の全てにおいて、不自由をしている。

「お兄ちゃん、おしごとしなきゃダメでしょ!」

「ああ、すまんすまん」

 と、呆けていたノスを見つけたアリアに怒られてしまう。いい加減な返事をしながら、目頭を揉みつつ、また作業に戻った。

 しかし、針を持つ前に、ドアがノックされた。

「はいよー」

 返事をしつつ、立ち上がる。この単調な作業から逃げるためには、絶好の言い訳だった。

 ドアに向かうノスの視界の端、アリアがぶーたれているのが見える。だが、それも気づかないふりをする。

(しかし、誰だろうな?)

 きしむ床を踏みしめながら、考える。

 この異世界らしい場所に来てから、まだ一週間と少ししか経過していない。ついでに言うと、大半は街の外にいた。友人どころか、知り合いだって数えるほどだ。こうして訪ねてくる相手に、心当たりなどあろうはずがない。

 なんとなく嫌な予感がする。

(居留守でも使うか? いやダメか。今返事したばかりだもんなぁ)

 迂闊だった。認めて、ドアの前へと立つ。

 ドアも来た当初は壊れており、当然補修対象であり、外は見えない。加えて、家には魔法を展開し、音を遮断してある。

 事前に外を確認するのは諦めて、覚悟してドアを開いた。

 そこには、一人の美しい女性がいた。セミロングの金髪で、整った造形をした、いかにも清浄な空気を纏っている――

 輸送団で神官の指揮をしていた、マリーメイアだった。先日と違うのは、服装が法衣ではない事と、引きつった愛想笑いを浮かべている事だった。

 二人の間に沈黙が流れる。ノスは胡乱な視線で彼女のを見て、マリーメイアは沈黙の痛さに、口元が痙攣した。

「こ、この前はどうも。お世話になりました……」

「…………」

 尻すぼみになりながら言う彼女を、じっと見続ける。

 しばらく、彼女の額に冷や汗が流れ始めた頃だろうか。ノスはため息を一つついた。

「とりあえず入る?」

 当然、社交辞令である。入ってくる事など望んでいないし、まさかこの空気で入ってくるまい。そう思っていたのだが、

「すみません、その……本当にすみません」

 まさか本当に入ってくるとは思わず、少しだけ驚く。そして、頭を抱えた。

(今度からはちゃんと帰れって言おう)

 密かに決断して、道を空けた。許可の言葉を発してしまったのは仕方がない。

 ノスはきびすを返して、部屋の中へと戻っていった。と言っても、ドアを開けばすぐ室内のぼろ屋だ。移動すると言うほど、大層な場所ではない。

 定位置――つまり布の山の前の座る。それと同時に、いつの間にか薬品を投げ出していたアリアが、背中に隠れた。肩越しに顔だけを覗かせて、うなり声を上げながらマリーメイアを睨み付けている。よほど彼女が苦手らしい。まあ、気持ちは分かる。

「で、何しに来たの?」

「いえ、何しにと言うか……」

 座れる場所を見つけられず、立ったまま所在なさげにしているマリーメイア。ノスはその姿から目を離すと、布と針を取り出した。嫌だった作業ではあるが、こういう時に言い訳にできるのは、ありがたい。

 視線も向けないまま、言葉を続ける。

「俺はあんたに好かれるような言葉とか態度とか、した覚えはないよ。最小限しか働かなかったし。それは、そっちも大差ないと思うけど?」

「う゛……その点については、私も緊張していたのと気が立っていたので当たってしまい、申し訳ありませんでした」

「いやまあ、謝罪とかはいらんけど」

 針の尻で額をかきながら、彼女の方を一瞥だけした。どうやら、腰掛ける場所は見つけられたようで、落ち着かせてはいる。ただし、アリアの威圧からは逃れられず、今度はそちらに四苦八苦していた。

「つまり言いたいのは、仕事が終わった後でも、こうして訪ねてくる仲じゃなかっただろ、って事だよ。本当に何しに来たの?」

 冷たい物言いだとは思っていた。だが、これだけははっきりしておかないと、妙な勘違いをされるのが一番厄介だ。

「その、私がと言いますか、私の上司がと言いますか……」

「それこそお断りだよ。あんた個人ならともかく、オルトン教と――宗教組織と深く関わるつもりはないから」

 ショックを受けて、マリーメイアの顔が強く歪む。

 彼女の言い分は、聞かずとも分かっている。神が~やら、信仰が~やらと、いろいろ説法があるのだろう。それも、確固たる神が実在する前提での話しでだ。

 神の存在まで否定する気はなかった。だが、はっきり言って、科学信仰に近い現代日本人に、そんなものが理解できるわけがない。ついでに、日本にはうさんくさい宗教が多すぎた。そうでなくとも、怪しい宗教家というのは多いのだ。神を信じられたとしても、宗教家までは信じられない。

 つまり、問題が起きるのが目に見えているのだ。そして、その時相手になるのは、神の元一枚岩になった信者たち。

 どんなメリットがあろうと、最終的に予想されるリスクに見合わない。そうでなくとも、権力に取り込まれるのはろくな事にならないから避けようと思っているのに、よりにもよって最悪の相手を選ぶわけがない。

「でも……!」

「しゃー!」

 さらに言い縋ろうとする彼女を止めたのは、アリアだ。相変わらず背中に隠れたままだが、そこから猫のように威嚇を始める。……だんだんと、挙動が動物じみてきている気がしないでもない。

「もう一度言うけど、俺たちはあんたん所に頼る気はない」

 怯んだマリーメイアの様子に調子づいて、さらに声を上げたアリア。彼女を抱え、膝の上に落として大人しくさせる。うつぶせにしてがしがしと頭と背中を撫でてやれば、大抵はごまかせた。

「まあ、別に嫌ってるわけじゃないし、世間話やらまでを拒絶するつもりはないよ」

 言ってから、部屋を見せるように手を振って。ついでにおどけながら肩をすくめて、言って見せた。

「出せるもんなんてないけどな」

 きっぱりと拒絶されて。彼女もついに、諦めたのだろう。傍目からも分かるほど、肩の力が抜けていた。

 表情を柔らかくして――気を抜き出会ったときのそれに近くして、彼女は言った。

「そう言えば、なぜこんな所に住んでいるのですか? あなたたちほどの冒険者であれば、もっといい所に住めるでしょう」

(これは……いい情報源だな)

 ひっそりと目を細めて、ノスは言葉に聞き入った。が、それもすぐやめて、呆れたような表情を作る。

「あんたらがそれを言うんかい」

「どういう意味です?」

 本当に分からない、という様子のマリーメイア。

「冒険者ギルドに行くとこう言われるのさ。「一人前の必要な大抵の仕事は、全て各教団が先に片付けまず。数少ない安定して入るものは、一般ギルドが結託して漏れないようにしています。普通の冒険者に回ってくるのは、突発的なものだけですよ」ってな」

 う、と身を竦めたマリーメイア。まあ、これは彼女の責任でもなし。そもそも、この地のルールなのだ。どこにも責められる相手などいないし、ノスも気にしてない。

 だが、これは実際、かなりの問題だった。

 まとまって金の入る仕事がない。なければ、突発的なものが入るまで、待っているしかない。そうすると、生きることに必死で調べられないのだ。この世界の事、と言うか、この世界の常識が。

 彼女の発言で、自分たちの実力が、最低でもそれなりくらいはあるのだと分かった。あくまで、手加減をしている状態で、だが。街に出て情報収集もできなかったから、そんなことすら、未だ分かっていなかった。

(やり過ぎれば面倒が起きる。面倒を避けたいなら、目立たないようにするしかない。でも、尺度が分からないから下手に動けない。中級でも最低ランクの範囲魔法ってのは、実際どう取られたんだ?)

 現代日本人が異世界で生活する以上、理由不明でも持っていた力を活用するのは避けられない。だから、異常な注目を浴びるぎりぎり手前を見極めたかった。判断材料そのものがないのでは、全くお話にならない。

 もっとも、中級範囲魔法を見せた時の様子で、十分目立ってしまった気はする。誤魔化そうにも、範囲魔法は中級からしか存在しない。つまり、選択肢はなかった。多面から判断するに、手遅れだし他にどうしようもなかった感がするが。

 とまれ、今更であっても、それを知って損はない。この世界の平均値と、ノスたちの実力の一端。両方とも知っている彼女の情報は得がたいものだ。

「と言うわけで、ちょびっとずつ内職さ。幸い、この手の技能はあったからな」

「これはまた、多芸ですね」

 マリーメイアは完成した一枚の服を手にとって、呟いた。

 よく見れば、それが冒険者のための装備だと分かるだろう。非常に頑丈なそれは、ノスからしてもよく出来たと賛辞できるほどのできである。

 ノスは布系装備品の生産スキルは上げていない。だが、ブルークラスタ・オンラインでは、熟練度とスキルは別計算だった。より上位の装備を作るにはスキルが、より高品質な装備を作る、または装備強化の成功率を上げるには熟練度が必要になる。大抵のスキルは、熟練度だけはそれなりに上げていた。暇だから上げていただけのそれが、役に立つ日がくるとは思わなかったが。

 今度は薬瓶の方を手に取ろうとしたが、それに触れる前に、アリアの威嚇が入った。残念そうにしながら、諦めて手を引っ込める。そして、もう一度服をまじまじと見ながら、彼女は言った。

「これ、ずいぶんと品質が高くないですか?」

「高くしてるんだ。いいものを渡せば、次の仕事に、もっといいものを作らせてくれるかもしれないだろ?」

 仕事で受けられたのは、ゲームで言うところの、初期も初期の装備生産のみ。回復薬も初期薬(初級ではない。さらにその下の、チュートリアルを終えると貰えるもの)のみだった。

「本当に見事な品ですね。この程度の道具にはもったいないくらい」

「がんばったからな」

 無課金で無理なく強化しようと思えば、だいたい強化段階8が限界。14が課金の壁だ。そして、これらの強化段階は5から6。これならば、二つ三つクラスが上の装備とも渡り合えるだろう。

 彼女はなおも角度を変えたりして、服をじっくりと観察していた。

「綻びも変形もなし。魔力も糸の一本一本にまで通っている……」

 この世界、ただの武器防具というのは、さして役に立たない。たとえば、それが上等な鋼で作られていようともだ。真に頼りになるのは、魔力を存分に蓄えた装備品である。上等な鎧が粗末な布に劣る、というのはよくあった。布の防御力が鎧に勝る理由付けである。単純だが、まあわかりやすい。

 つまり、良いものをそれなりに安定して作れるノスとアリアは、重宝される……はずである。確証はなかったが。

「もしかして、こちらが本職なのですか?」

「まさか。手先はそれなりに器用だと思うけど、一般的に売られてるもん以上のものは作れないよ」

 ――と、言うことにしておく。内心で付け加えた。

 この世界はゲームの設定に準じた世界ではあるのだが、絶対ではない。そう考えれば、あり得そうな事に、心当たりがあった。たとえば、装備品の事情だ。

 魔物と戦うならば、魔力を内包した装備でなければならない。単純に通用しない。ならば、それはどうやって生み出されるか。単純に、既存の装備に魔力を流し込めばいいという訳ではないのだ。魔力を内蔵しやすい素材、形状が存在する設定になっていた。これが問題である。

 ゲームの中ならばいい。予め、答えが載っているのだから。しかし、現実では試行錯誤が、当然必要だった。

 まず魔力を込められるパターンを見つけるのに、大量の物資と金がかかる。パターンを見つけて、さらにそれを洗練していくのだが……これが人間にとって都合がいい形状であるとも限らない。武器にも防具にも使えない形状だと、どれだけ強力でも破棄だ。

 強い装備が生まれづらい現状。加えて、魔力装備は生産も難しい。これで下手に新しい装備を出そうものならば……想像するだけで恐ろしい。

「けど、まあ……」

 ぽりぽりと頭をかきながら、ノス。

「本当は鍛冶の方が得意なんだけどね」

 ノスの育てていた生産スキルは、金属装備の鍛冶だった。当然そちらの方が、上手く楽に作れるだろう。

「では、なぜそちらにしなかったのです?」

「……資金が足りなかった。設備と道具を借りるの、素材を揃えるの」

「ああ……」

 哀れむように、マリーメイアが呟いた。

 正直言って、気が滅入るからやめてほしい。

「まあ、そっちに移行するにしてもしないにしても、まずは金だよ。ないと何もできやしない」

「あ! では教団で依頼を用意するというのは……」

「だから下心が見えてるんだよ! ひっぱたくぞお前」

 叫ぶと、マリーメイアはしょぼんと項垂れた。本当に腹芸のできない人間である。ノスも自分には向いていない自覚はあったが、彼女はそれ以上だ。

「でも、このままではじり貧ですよ? 何か考えないと」

 拗ねた姿を見せつけるように、膝を抱え唇を尖らせなあら、マリーメイア。

 初対面の姿は緊張感の為か、それとも責任感からか。もっとしっかりした人間に見えたのだが。今の彼女は、完全にただの一般人である。もしかしたら、こちらが素なのかもしれない。

「だからそのために、良い品を作ってるんじゃないか」

「無理ですよ。商人たちにだってギルドがあるんですから。良い道具を作るだけでは、絶対に途中で潰されます。それともあなた、信頼できる商人が知り合いにいたりするんですか?」

 何を当たり前の事を、と言うように、マリーメイア。

 と――

 時が止まる。ぴたりとノスと、ついでにアリアの動きが止まった。部屋のそれさえ、凍り付いたように。

 その中を唯一普通に動いているマリーメイア。二人の様子を見て、不思議そうに首を傾げていた。いくら経過しても動き出さない二人。それを観察するのに飽きて、触れに行った、ちょうどその時だった。

「そーだよ当たり前じゃん! 何で気づかなかったんだああぁぁぁ!」

 絶叫するノスを、涙目のアリアが揺さぶる。訳が分からず、マリーメイアは目を白黒させていた。

 良い品質のものを売り、良い品質のものを買う。というのは、所詮生産者と買い手の言い分だ。間に入って売買する商人の言い分は、全く違う。詰まるところ、ノスたちの作る商品は、彼らの利益を侵害する恐れがあった。しなかったとして、今度は買い叩きだろう。

 どうにしたって、上手くやるには交渉が不可欠だ。それに自信がないから、能力にものを言わせようとしていたのに。

「お兄ちゃん、どうしたの? なにかダメだったの?」

 涙目で訴えるアリア。そんな少女に、覆い被さるように抱きしめて、同じように泣いた。

「ごめんなアリア……俺がダメなばっかりに……主にあいつのせいで」

「ちょっ、いきなり人のせいにしないでくれます!?」

 と、指さされたマリーメイアが叫び。さらにそれを、アリアの睨み付けが追い打ちした。

「うー……なんでそうやっていやがらせばっかり!」

「やめてー! そんな目で見ないで-! 違うんです、あの時は違うんです!」

 じりじりと詰め寄られ、同じ分だけ後退しながら。手をばたつかせつつ顔を隠すという器用なまねをしていた。

 その様子を(とっくに涙はひっこめた)ノスは眺めながら。ぽつりと、思いついたように言った。

「お前って、もしかして面白い奴だろう?」

「それ本人に向かって言うことですか!? いえ、それより彼女の誤解を解いて下さい!」

 叫んでいる間も、アリアはじりじりと距離を詰めていた。足取りは不安定で、非常に危なっかしい。当たったとしても、たいした威力があるようには見えなかった。見た目だけは。

 彼女は気がついていないが、下手をすればそれで一発天昇である。

 さすがに、これからしばらく住もうと思っている場所で、殺人事件はまずい。こっそりアリアの背後に回り込んで、脇を持って抱え上げた。

「仕方ないんだよ。もう俺たちにはどうする事もできないんだ。仕方ないから、一緒に冒険者ギルドで仕事探そうね」

「うううぅぅぅ……ぅん」

「ちょっと! だから訂正して下さいって!」

 震える声で返事をするアリア。背後からは、叫び声を上げるマリーメイア。

 二種の声を響かせながら、扉がぱたんと音を立てて閉じられた。

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