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矢井が部屋に戻ると、佐々井がすでにいた。

「あれ、もう帰ってたんですか」

「現場は、すでに安定化してるし、修復は完了してるのよ」

「あれほどの被害ならば、もうちょっとかかりそうだけど…」

「元には戻さないわ。でも、ふたをかぶせる感じで、宇宙空間に直接露出させないようにしてるの。それで、何事もなかったかのように飛べるっていうわけ」

「なんだ、そうなってたんだ」

安心した表情になり、矢井は自分のベットに座った。

「そういえば、ここってどこなの。さすがに1万光年離れたどこかの恒星っていうわけじゃないんでしょ」

「ラグランジュポイントって、学科でやったでしょ」

佐々井が紅茶が入ったティーポットを、棚の上に置きながら矢井に説明する。

「L1からL5まである、2つの天体間の間において重力が釣り合う点のこと?」

「そのうち、この場所は太陽ー地球系のL1に当たるポイントよ。このまま太陽へ一直線に進むと、地球があるわ」

「そうやって、地球を隠してたんだ…でも、水星とか、火星とかはどうやって隠したんだろう…」

「矢井、ひとつだけ聞くけど、この旅が始まってから、直に宇宙を見た?計器やレーダーを通さずに」

「…そういえば、一回もない」

「ここのAIには、訓練用のプログラムが仕組まれていたらしいわ。そのため、星図とかも、全部別の場所であったとしても、誰一人として気付かれなかったという話なのよ。ただし、艦長だけは最初から知っていたらしいわ」

「艦長だけは、ね」

「さすがに艦長が知っていないと、ダメでしょう…」

矢井がコーヒーを飲もうと、立ち上がると、艦長から放送がかかった。

「これより、地球へ向けて発進する。15分以内に総員持ち場につけ」

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