(23)
リード線は、それぞれのC-4につながっている茶色の線、中の基盤をつないでいる白、赤、青、黄色の線からできていた。
矢井は、まずはニッパで、白色のリード線を切り離す。
「よし、これで第1段階」
基盤の中を結んでいる白色のリード線が切られると、ぼんやりと時間が表示された。
「…残り、1分ですね」
「何を言ってるの」
佐々井が、矢井の先ほどのつぶやきに反応する。
「どうやら、時限爆弾だったようです。今、残り40秒を示しています」
「じゃあ、すぐにでも解体しないと」
「残りは、赤、青、黄色のリード線。基盤上にある白の箱、紫の箱、紺の箱を結んでます。白紫が赤色、紫紺が青色、白紺が黄色です。白の所が時間表示になってて、ほか2つは不明。茶色の線は紺の箱から出ています」
「じゃ…色を…って」
「え、なんて言いました」
しかし、それから先は、無線が壊れてしまったようで、砂嵐のザーと言う音だけしか、矢井の耳には入って来なかった。
「矢井中佐、残り15秒」
すぐ横から、部下が焦りながら告げてくる。
「…私がするしかないようね」
矢井は心を決めて、目の前の箱の中を覗き込んだ。
「バッテリーと切断するのが先なので、まずはその断定を。白の表面に時間表示があると言うことは、このあたりから電力供給があるはず。だったら、白がバッテリーね。おそらく、同時に切らないとダメだから、白から出ている赤と黄のリード線を一気に切る」
赤色と黄色のリード線を一か所に寄せて、矢井が目をつむりながらリード線を切った。