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矢井は外へと出るために最寄りの外出ハッチへ向かった。

「隔壁解放。最寄りの外出ハッチはどこ?」

隔壁が開かれて、待機していたヒロガリに、現状を伝えると、すぐに通路を空けてくれた。

後ろの部下が、矢井に答える。

「この先を右に曲がってください」

「この先を右ね」

十字路を右に曲がると、すぐに扉があり、宇宙服が置いている部屋になっていた。

「では、私についてくる人は」

宇宙服の部屋に着いた時、その場にいる4人に聞いた。

全員がうなづいた。


宇宙服をひとつ手に取ると、自動的に船内への扉がロックされた。

「空気が漏れないようにする措置ね。手順通りね」

矢井が、宇宙服を今着ている服の上から着ながら言った。

白色の超強化ビニールで作られた宇宙服は、全身をすっぽり覆うことができる雨合羽のような感じだ。

背中には生命維持装置を背負い、全身どこからも空気が漏れないように、接合部はゴム膜でおおわれる。

微小隕石が来たとしても、電磁バリアの範囲内であれば、そもそも船に近寄る事さえできないし、大きめの隕石が来たとしても、あらかじめ警報を発してくれるため、避けることができる。

「これでよし」

矢井が着替え終わると、周りを見回す。

順次ビニールの密閉作業が終わっていくようだ。

「全員、相互の密閉を確認せよ」

そう言って、前にいる班員の腰のところにある赤いスイッチを押す。

これが、船内の空気を吸い上げて、密閉されているかどうかを確かめる。

空気が漏れないのであれば、入った空気が外に漏れないということなので、パンパンになる。

一定の気圧になれば、自動的に外へ排出され、もとの状態へと戻る。

これを前後の人に押してもらい、2回確かめる。

両端の人は、同じ人に2回押してもらい、確かめることになっている。


1分で、全員の確認が終了した。

「確認終了を確認。艦長、矢井中佐です。これより外へ出ます」

「了解した。ハッチを開放する」

ハッチは、艦長の手元から出ないと操作ができない仕組みになっているが、外から中へ入る時は、すぐ横にあるパネルに、10ケタの暗証番号を入れることによって入れる。

一瞬で空気がなくなり、残った水分がきらきらと光り出す。

「…おそらく、ヒロガリ大佐が見たのは、これね」

そう言いながら、開かれたハッチを通り、船の外へと出ていく。

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