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それから20分後、無事に1回目の跳躍に成功した。

それから3日開けて、2回目、3回目と回を重ねた。


「いよいよラストね」

佐々井が矢井に指示をしながら、エネルギーの回収をしていた。

「ええ、でも…」

「でも、どうしたの」

「なんだか、この恒星、ずっと同じような感じがして…」

「気のせいじゃない?だって、AIは、ちゃんと9万光年進んでいることを示しているわよ」

「うーん…そうなんでしょうか……」

その時、艦長が連絡をしてきた。

「様子はどうだ」

「ええ、こちらは順調です」

「そうか。エネルギーが120パーセントになっているから、ちょっと気になったんだ」

「ちょっと待ってください、こちらは60パーセントになってますよ」

「表示がおかしいのか?」

艦長が、コンソールを触る音が聞こえてくる。

「ダブルチェック、トリプルチェックをした結果、異常は見当たりませんでした。そちらはどうでしょうか」

「こちらも異常なしと出てきているな。誰か、エネルギー貯蔵庫を確認する必要があるようだ」

「では、自分が行きます」

ヒロガリ・バルドン大佐の声が、艦長の後ろのあたりから聞こえてくる。

「…一人では心配だな。チームを作れ。エンジンに詳しいのは、前に聞いた3人だったな。その3人に対して、命令する。現在の作業を中断し、または別の人に託し、エンジンのエネルギーシステムを緊急に点検せよ。なお、このために必要な人員は、全てヒロガリ・バルドン大佐の指揮下に入る」

「はっ」

バッと靴を鳴らして、どうやら敬礼しているようだった。

「特に、シバリエ・サスカット大佐を副指揮官とし、ガルバイ・エンタードン中佐を連れて行け」

「了解しました。自分が指揮をとり、エンジンのエネルギーシステムの緊急点検を行います」

それだけ言うと、タッタッタッと走っていく音が聞こえた。

「とりあえず、矢井中佐は、船内に戻ってきて。状況が把握でき次第、今後の対応を決定する」

「了解、では、これより帰還します」

撤収と言う矢井の声が、佐々井のところにまで響いてきたような気がした。

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