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反対側へたどり着くと、佐々井の方ばかりをうかがっている敵の背中が見えた。

人数は5人、部屋の中から2本の銃身が見えている。

「ライフルが2丁、短銃も何丁かあるようね。一気に制圧することが良いと思うわ」

「そっちは任せたわ。三で、こちらが斉射するから、矢井中佐は斉射と同時に裏から突入を」

「了解」

銃の弾倉を確認し、慣れた手つきで銃を手におさめる。

それから、班員に先ほどの内容を繰り返し伝え、佐々井大佐が斉射するのを待つ。


数分間、散発的にパンパンと銃声がしていたが、その静寂が一瞬にして破られた。

矢井が通れるような道を除いた場所に、次々とスライムが生まれていた。

「よし、いくぞっ」

矢井がそんな状況の通路へ飛び込んでいき、真っ先に第1食糧庫へ突入する。

「包囲している。観念しろ…あれ」

意気込んで部屋の中に入ったのはいいが、先ほどまで銃を構えていたはずの人たちが、一人もいなくなっていた。

「どういうこと…?」

そう言いながらも矢井は佐々井へ連絡を入れる。

「佐々井大佐、こちら突入した矢井です。誰もいません。捜索を行います」

「分かった。捜索を許可する」

矢井が段ボール箱の間を、銃を振り回しながら捜索している間に、佐々井が艦長へ連絡を入れる。

「艦長、佐々井です。敵が突然蒸発しました」

「…そんなことあるのか」

何か楽しんでいるような声で、艦長は佐々井へ返答をする。

「現在は、部屋を捜索していますが、見つかるかどうか…」

そこへ、ガルバイの声が割り込んだ。

「AIで確認すると、まだその部屋の扉にいると言うことになってます。そのあたりを重点的に探してみてください」

「分かったわ、やってみましょう」

銃をしまわせてから、矢井へ連絡を入れる。

「矢井中佐、あなただけ扉のところへ来てもらえる?」

「扉ですか。分かりました」

佐々井は班を率いて、第1貯蔵庫の扉付近を捜索し始めた。

矢井もそこに合流し、さらに5分ほどしてから矢井の班員も捜索を終えたらしく、合流した。

「…これか」

矢井が何かの装置らしきものをつまみあげた。

「これ、何なんでしょう」

5cm角の立方体で、コードもなにもついていない、灰白色をしたものだった。

「調査部へ持っていって、調べてもらいましょう」

調査部は、文字通り、さまざまな事柄を調査する部署である。

大概の事は、そこを持っていけば分かるというものであった。

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