(13)
一応の案ができると、艦長へ報告し、そのまま使うようにという命令がくだされた。
「では、この通りに班を編成し、行動するようにしましょう。全員に通達を」
矢井が編成した班は、5人ひと組を中心として、それぞれが半フロアを受け持つことになっている。
AIを積んでいるため、怪しいところを中心的に捜索するという手はずだ。
なお、班の数は10。
フロアの数は20あるため、創作が終わると、次の場所へ速やかに移動と言う形態をとっている。
捜索中は、敵の移動を防ぐため、創作を完了したフロアは隔離する措置をとる。
つまり、隔壁を閉じ、空気や物の行き来を一切できなくするのである。
全てのフロアの捜索が完了すると、隔壁を再開放するという手筈である。
その場にいる砲術の人たちと、その他、不必要であると現状で認識されている人たちの混成チームである。
「さて、いきましょう」
矢井が、そのうちの一つのチームの班長となり、範囲としては、武器庫やエネルギーの保管庫がある場所となっている。
武器を手にしながら、曲がり角や部屋の一つ一つを確認しながら進んでいく。
「どうだ」
「異常無しです」
時折、ヘッドセットから、准将であるガルバディ・ベスモートが聞いてくる。
副艦長補佐と言う役職で乗船しており、今回の敵侵入についての指揮も任されていた。
「適時連絡を取るように」
それから、しばらくの間は連絡はなかった。