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23、エタプロ始動1

斎藤を拾ってからはや数日。

今日は母に連れられて事務所に来ている。


ちなみに本来私の足となる斎藤は、今は研修中である。

奴は一文無しのホームレスだったが、近々大金が手に入る予定らしく、今は会社に前借りして寮に住み、人間らしい生活を取り戻している。


母は最近「叩けば叩くほどホコリが出てくるわー」と楽しそうである。

いつ掃除に目覚めたんだろう。

いつも業者に任せきりなのに。


それはさておき。


今日は以前行ったオーディションの、合格者達の顔合わせである。


つまり久しぶりにお友達と会える訳で、朝からソワソワが止まらない。


楽しみ、ああでも、忘れられてたらどうしよう……。


急に不安になってきた。


会場となるダンスレッスン室に入ると既にけっこうな人がいた.。

私がキョロキョロとしていると後ろから肩を叩かれる。


「くーおん!」


「うわぁ!」


不意を突かれて大げさにビクついてしまう。


「み、瑞希ちゃん⁉」


「あはは、久しぶりくおん」


そこにいたのはアイドル志望の片瀬瑞希だった。


「もーびっくりした」


「悪かったわね、あんなに反応するとは思わなかったわ」


相変らずツインテールがよく似合う性格をしている。


「他の2人は?」


「まだ……あ、来た」


「みーちゃんくーちゃん久しぶりー」


「み、みずきちゃんくおんちゃん……2人とも相変らずかわいい……」


「杏奈ちゃん!悠里ちゃん!」


わーいと手を振る。

フワフワな性格なのが蟹江杏奈ちゃん。

バラエティ志望。髪もフワフワ。

陰キャっぽいのが横山悠里ちゃん、モデル志望。

実際はファッション好きでかなり陽の者。


「2人とも久しぶりね!みんな無事に合格出来てなによりだわ!」


うんうん、と瑞希の言葉に私も腕を組んで頷く。

ちなみに私の友達だから受かったのではなく、3人ともちゃんと実力だ。

しつこく確認したから間違いない。


「夏休みは軽井沢の別荘に行ってきたわ、うちは毎年そうなの。くおんは?」


「おばあちゃんちで悪霊退治してたかな」


「なにそれゲームの話?」


「集合してくださーい」


4人でわちゃわちゃと夏休みの話をしていたら、見覚えのないスタッフから集合がかかる。


その場にいたのは40人ほど。

全員保護者同伴なので、オーディション合格者は半分の20人。

これがエタプロ第一期生となるのだ。


あ、母だ。


「まずは皆さん合格おめでとう。ここに居る子は1万人の応募者から選ばれた特別な20人。このエターナルプロダクション、始まりの20人よ。沢山お仕事して、有名になって、私達で最強のプロダクションにしちゃいましょう!伝説の始まりよー!」


わーパチパチパチパチ。


何を言っとるんだこの人はと思ったが、私たちはみんなお子様、これくらいの方が分かりやすくていいのだろう。


「燃えるわ!」


「ふわー始まりの20人……カッコイイ!」


その証拠にけっこうウケている。


と、母が下がり楓さんが出てくる。

今日はばっちりメイド服だ。

もう身内だから隠さないのだろう。

親御さんはザワついているがお子様たちにはかわいいと評判。


「さて、さっそくお仕事と言いたいところですが、まずは基礎的な訓練を受けていただきます。挨拶の仕方や現場での立ち回り等ですね、これには保護者も参加していただきます。そして子供たちはダンスや歌、演技等のレッスンを受けていただきます。」


「複数あるレッスン室では毎日何らかの授業が行われているので、自分の将来に必要な科目を選択し、自由に受けることができます。やる気があれば複数受けて頂いてけっこうです。レッスンの進み具合を見て、講師がOKを出したら、オーディションを受けたり、推薦をもらったりしてお仕事が出来るので、頑張ってください」


大学みたいなシステムだ。

自由度は高いけど、サボるといつまでもデビューできないようだ。


「それと各レッスンには外部生も参加します。あなたたちのように事務所の所属じゃなくても、レッスンを受けたい人ですね。もちろん彼らが頑張れば、事務所にスカウトされる可能性もあります。故に彼らはとてもやる気があるので、内部生となるあなた達は、負けないように」


なるほど、20人だけで毎日選択制のレッスンとか、維持費はどうなるのかと思ったが、外部から募集するのか。これなら内部生のレッスン料も抑えられる。


「普段は皆さん学校があるので、レッスンは平日16時から21時まで、休日は9時から21まで受けられます。ではまずスケジュール表を配るので、お子さんとよく相談して、受けるレッスンを決めてください」


そういってプリントを渡される。へぇー色々ある、落語なんかもあるんだ。


「なんだかよくわかんないけど楽しそうね!」


「わたし全然理解できなかったー」


まあ説明だけでは低学年の子には難しいだろう。

やってみればそう複雑ではないはずだ。


私は……取りあえず全部うけようかな。

タケルの知らない知識の数々、楽しみである。

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