調子のいい独身男
今の時間が14時ぐらいか。
天気が良いからか、時間感覚を完全に忘れていた。
とりあえず、彼女が教えてくれたあのうどん屋は確かに美味かった気がする。そして、あの後は何だかんだで彼女とコンビニに寄ったりして帰ってきたから、今この時間だ。
にしても、今日は朝からずっと外にいた気がする。と言うか、いた。
本来の休日の俺は基本的には朝一にコンビニに行くぐらいで、後はひきこもりがデフォだったから...そう考えると特に最近は外に出ることが多くなった気はする。
まあ、別にだからといって何も変わりはしないが、不思議と休日の昼頃にもうこんな時間かと憂鬱な気分になる機会はかなり以前よりは減り、心なしか身体がアクティブになっているの...か?
一応、今も現に来週の土曜日にでも一人であのうどん屋に行こうと思っていたところではある。
いや、来週の土曜日はそうか。また隣の西野とスーツを取りに行くことになっていたことを思い出した...。そうだった。
まあ、ならばもし万が一にでも、来週も昼ご飯に彼女と行くことになったりした場合は、もう一度あそこを提案しよう。あくまで、そうなった場合の話ではあるがな。
現に今日だって、ニヤニヤと鶏天うどんの鶏天の最後の一つを彼女に奪われて食べ損ねた。一応、代わりに海老天を二つも俺のうどんの上に置いては来たが、そういうことではない。でも、その交換であればこちらも許さざるを得ない。だから、リベンジということで提案するだけだ。
とりあえず、あのうどん屋は当たりだった。
でも、そのうどん屋で飯を食っている間にもこいつは...
本当に。
『斎藤さん、一生のお願いです』
今もlineには鬼のようなあいつ、村田からのメッセージと着信履歴。
いい加減にしつこい。と同時に、ここまでされると、これ以上無視していると本当に死んでしまうのではないかという不安にも襲われてしまう。
まあ、もういい。面倒くさい。
最近の俺が割とアクティブで良かったな。村田。
『わかった。お前も含めて3人ならば今晩行ってやるから場所はお前が決めて俺に送ってこい。あと、お前が俺を車で迎えに来い』
ただ、普通にオッケーするのは何だか癪だから、俺は条件付きでそうlineを返信する。
『ありがとうございます!』
そして、待ってましたと言う速さで、村田からはそう返事が返ってくる。
まあ、村田も佐倉もこれで大人しくなるなら...。調子がいい今日にもう終わらせた方が効率がいい。
『ちなみに斎藤さんのご自宅はどこになりますでしょうか』
あぁ、そうか。
『〇市○○▽◇番地の505号』
確かにこれを送らなければ迎えには来れないなと、住所とマップの位置を俺は村田に送る。
一応、今回は場所も事前にチェックはするし、変なことにはならない...はず。
佐倉も別に...な。あの時の俺は考えすぎだった。
そして、あいつが迎えに来るのであれば俺の体力も使わない。まあ、許せる範囲だ。
とりあえず、夜はそれでもう終わらせる。
理想は18時頃だが、まあ時間は場所が決まってから決めることにしようと思う。
それにしても、今日は調子がいいと言うか、身体が軽い。
時間もまだまだあるだろうし、ちょっと筋トレでもして、外に散歩でも行くか。
何だろう。本当に今日は朝から気持ちのいい天気だ。
暑すぎず、寒くもなく、本当にポカポカと気持ちがいい...
って、何だ今の...。
急に背中に悪寒...が? いや、気のせいだな。
本当に、今日は良い天気だ。




