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レベル1からレベル5までしかいない低レベル女の子パーティーなんですけど、ダンジョン配信を始めたら冒険の収入より広告収入が上回りました  作者: 秋山機竜
第一章 まだまだダンジョン配信者として駆け出しのころ

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第87話 悪知恵の働くモンスターは、わざわざ正面から襲ってきません

「前に進むしかなくなったわけですが、私たちは弱いので、強い人たちの足を引っ張らないように荷物運びに徹しましょう」


 私は、よっこらせっと大雑把な荷物を担ぎました。


 いくら覚悟を決めたところで、いつもとやることは変わらないわけです。


 だってここから先のダンジョンは強敵だらけですし、足手まといになるのが一番やってはいけないことですよ。


 僧侶のレーニャさんも、荷物を担ぎながら苦笑いしました。


「結局いつものやつー」


 戦士のアカトムさんは、せっせと荷物を担ぎました。


「まぁ慣れてるからね、お金がないときは雑用のアルバイトしてるし」


 武道家のシーダさんは、一番重い荷物を意気揚々と担ぎました。


「これも修行になるぞ」


 こうして私たちは、隊列の後ろから三番目のポジションに入って、モンスターの巣の先へ前進することになりました。


 隊列の最後尾は、バックアタックを警戒するのが得意なパーティーが担当しています。


 帝国軍においても、隊列の最後尾は、行軍の脆い部分になるため、強い部隊が担当しているんですよ。


 隊列の先頭を担当しているのは、団体行動を制御するのが得意なPMCのみなさんです。


 彼らは、魔法のたいまつで道を照らしながら、一番乗りで開けた空間に足を踏み入れました。


「悪知恵洞窟に到着だ。総員、気を引き締めろ」


 ついに到着しました、もう一つのダンジョン、悪知恵洞窟です。


 冒険者とモンスターが争ってきた洞窟なので、あちこちに交戦の跡が残っています。


 道幅の広いメインルートだけ、魔法のたいまつによる照明が維持してあるんですが、ちょっとでも脇道にそれると真っ暗闇です。


 この脇道の暗がりですが、ずる賢いモンスターたちが待ち伏せするための陣地です。


 冒険者が能天気に明るいメインルートを通っていると、暗がりに潜んでいたモンスターが背後から一撃、という仕組みですね。


 その証拠に、死亡した冒険者の白骨死体と腐乱死体が集中しているのは、明るく照らされたメインルートなんです。


 いやはや、白骨死体は見慣れているんですけど、腐乱死体はさすがに慣れていないですよ。


 グロテスク!


 残酷すぎる風景を配信に映すと、BANされる可能性があるので、モザイク処理しておきましょうね。


 こんな衝撃映像が一瞬でも配信に映ったら、いろいろな意味でコメント欄が盛り上がりました。


『ヤバすぎダンジョン』『あきらかにこれまでのダンジョンより難しいな』『ユーリューたちのレベルに合ってなくて草』『さっさと脱出しないとマジで死ぬぞ』


 ええ、そうでしょうね。さっさと脱出しないと、本当に死にます。


 不幸中の幸いは、良くも悪くも有名なダンジョンなので、脱出ルートがはっきりしていることです。


 PMCのリーダーが、手のひらに方位磁針を載せて、北の方角を指さしました。


「出口はあっちだ。進むぞ、周囲に警戒しながらな」


 我々は、明るいメインルートを北進しながら、光明の補助魔法で脇道の暗闇をチェックしていきます。


 いまのところモンスターの待ち伏せは発見できません。


 しかし、複数の足跡や、重たい道具を引きずって動かした形跡が残っています。


 つまり敵は、私たちが光明の補助魔法を使っていることに気づいて、待ち伏せするポジションを変えたんですね。


 まったくもって厄介なモンスターたちですよ。


 こんな評判通りに悪知恵が働くとなれば、いつどんなタイミングで敵に襲われるかわかりませんね。


 肩と首がカチコチになるほど緊張しながら、ひたすらメインルートを北進していくと、下り坂が見えてきました。


 そう、下り坂です。


 おやおや、読者のみなさんには、あの下り坂、見慣れた光景じゃないですか?


 そう、プロローグのシーンなんですよ。


 ということは、これから先、なにが起きるのか、わかりますよね?


 そう、ずる賢いモンスターの集団が、フンのたまった樽を転がしてくるわけですよ。


 **CMです**


 ンハロ教は、ダンジョンで死亡した冒険者のために、供養の派遣を行っております。お気軽にご相談ください(派遣する僧侶の出張費、および護衛料金が発生するため、通常料金の三倍になります)

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