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レベル1からレベル5までしかいない低レベル女の子パーティーなんですけど、ダンジョン配信を始めたら冒険の収入より広告収入が上回りました  作者: 秋山機竜
第一章 まだまだダンジョン配信者として駆け出しのころ

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第80話 いつもギャグテイストでやってきましたけど、本来ダンジョンって薄暗いんですよね

 はい、というわけで始まりました、ダンジョンの新規ルート開拓です。


 現地に集まったパーティーも様々で、腕自慢の集団もいれば、新しい物好きの集団もいたし、もちろんダンジョン配信者たちもいました。


 どうやら現地の情報を公的な情報として把握するために、帝国兵のみなさんもいるみたいですね。


「あ、君たちは、いつぞやの寄生配信をやった子たちじゃないか。久しぶりだなぁ」


 かつて私たちは勇者の四天王討伐に寄生しまして、プロジェクト情熱大陸Xをやったわけですが、あのときに同行した帝国兵のみなさんでした。


 いやぁ、だんだん猛者の知り合いが増えてきましたねぇ。これもダンジョン配信をやった恩恵でしょう。


「お久しぶりです、帝国兵のみなさん。もしかして帝国軍的には、新規ルートは知っておく必要があって、現地に参戦したんですか?」


「だって魔王軍が関わってるかもしれないだろ?」


「そんなことありえるんですか? 我々が人間の犯罪者を追っていたら、PMCのみなさんが抜け道を発見してくれただけなんですけど……」


「その件は把握しているけど、まぁなんにせよ調査は必要だから。とにかく後ろに下がっていなさい、君たち弱いんだから」


 はいはい、おおせのとおりに。


 という感じで、東のダンジョンに総勢百名近い冒険者たちが乗り込みました。


 私たちは、はっきりいってお荷物なので、集団のど真ん中で守ってもらう形です。


 はっはっはー、弱小であることを周囲の人たちに知られていると、楽が出来ていいですねぇ。


 ちなみに東のダンジョンの内部ですけど、普段経験値稼ぎに使われているだけあって、そこまで複雑な構造じゃないですね。


 ただし油断してはいけません。冒険者ギルドが地図を配ってくれたから、簡単に感じるだけで、初見でダンジョンに入ったら、そこそこ苦労する構造です。


 そんなダンジョンの道中には、ほんの少数だけモンスターが湧いていたんですが、先頭を進む腕自慢の冒険者が一撃で斬り捨てて終わりました。


 いやぁ、これだけ大人数で攻略すると、自動湧きのモンスターなんて、ただの的ですね。


 こんな感じでスピーディーにダンジョンを進めば、抜け道の前にたどり着きました。


 私をふくんだ冒険者たちは、ずらりと横並びになって、抜け道の様子を確かめました。


「真新しい掘削跡があって、その先は真っ暗闇で、なにも見えない。怖すぎますね」


 これまで攻略してきたダンジョンには、歴代の冒険者たちが自前で設置した魔法タイプのたいまつがあったわけですが、ここから先には一切ありません。


 視界がない場所では、日常的に暗闇で過ごしているモンスターが圧倒的に有利ですからね。


 腕自慢の僧侶が、魔法の杖を掲げました。


「みんなオレの前に並べ。これから順番に光明の補助魔法をかけていくぞ」


 公明の補助魔法――真っ暗闇で視界を得るための魔法ですね。


 新規のダンジョンを攻略する際には、必須といっても過言じゃないです。


 それなのに、うちのパーティーの僧侶であるレーニャさんが、自信満々に言いました。


「あたしは光明の補助魔法使えないから、補助要員として計算しないでよね」


 なんで使えないことを自慢しているんですか、うちの僧侶は…………。


 まぁいいでしょう、そもそも他のパーティーは私たちには期待していませんから。


 そんなことよりもですね、だんだん真面目な冒険になってきて、緩くてギャグテイストの作風が壊れそうなんですよ。


 うちの配信のコメント欄も、ちょっとした騒ぎになっていました。


『冒険がマジになってきて、だんだん心配になってきたが?』『ユーリューたちが場違いすぎる』『おとなしく寄生配信しとけよ。どうせ周りは強いやつばっかりなんだし』


 というわけで腕自慢のみなさん、うちの配信の緩い雰囲気を守るために、ちゃっちゃと新規ルートの開拓を終わらせてください!


 *CMです*


 光明の補助魔法が使えない冒険者のみなさんに、ピカピカ社が提供する『魔法のたいまつ』はいかがでしょうか。


 空気中のマナを燃料にしているので、どんな場所でも光りますし、壊れない限り永続的に光り続けます。


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