第71話 まずは賭け方のお話しから
さっそく私も馬券を買うわけですが、次のレースは十一頭立てでした。
フルゲート十八頭であることを考えると、そこから七頭少ないわけですし、結構予測しやすい頭数です。
といっても、他のレース系のギャンブルと比べたら、ギャンブルの対象になる駒が二桁もあるのは多すぎるんですけどね。
逆に考えてみれば、予測が難しい分だけオッズがばらけやすいので、的中したときの払戻金が大きくなります。
そんな前提条件を踏まえて、回収率勝負に臨んでいきます。
三連単を当てて回収率を跳ね上げるか(三連単というのは、一着・二着・三着のお馬さんを着順通りに当てることです)、それとも手堅い馬券を当てて少しずつ増やしていくか。
しかし競馬に絶対はないので、手堅い馬券を買ったはずなのに、実際のレース結果は大荒れだったなんてことはよくあります。
競馬は生き物を走らせているわけですから、お馬さんの絶対能力通りにゴールするわけじゃありません。
どんなに足の速い馬であっても、たまたま今日走る気分じゃないこともありますし、レース中に嫌なことがあったら途中で走るのをやめてしまいます。
そんなお馬さんたちの特性を考えたときに、ある意味でやってはいけない賭け方というのがあります。
ちょうど僧侶のレーニャさんが、やってくれました。
「メルールが乗った馬よ! 一番人気のメルールにたくさん賭ければ確実に儲かるじゃない!」
メルールというのは、ERAに所属するリーディングジョッキーです。
彼は一着を連発するわけですから、彼の乗った馬に賭けるだけで儲かりそうな気がしてきます。
ところがどっこい、ギャンブルはそんなに甘くありません。
だって一番人気ってことは、オッズが1・3倍とかですよ?
たとえ10000ゴールドかけても、儲けは3000ゴールドしかありません。
それなのに、お馬さんがたまたま走る気分じゃなかったら、馬券の対象順位である三位以下になってしまうわけですから、10000ゴールド丸ごと失う計算です。
試しにメルールが乗った一番人気の馬に、三レース連続で10000ゴールド賭けた前提で考えてみましょう。
一レース目=的中、プラス3000ゴールド。
二レース目=外れ、マイナス10000ゴールド。
三レース目=的中、プラス3000ゴールド。
収支、マイナス4000ゴールド。
このように払戻金が少ないせいで、賭ければ賭けるほど収支がマイナスに近づいていきます。
つまりなにが言いたいかといえば、競馬に必勝法なんて存在しないってことですね。
だったら、どうやって今回の回収率勝負で勝つつもりなのかといえば、ちょいと狙い目の馬がいるので、そいつの複勝だけ握って、レース開始を待つとしましょう。
*CMです*
ギャンブルは大人のたしなみです。生活が破綻するような賭け方はやめましょう。もしギャンブル中毒の疑いがあるようでしたら、ERAの相談センターにご連絡ください。




