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レベル1からレベル5までしかいない低レベル女の子パーティーなんですけど、ダンジョン配信を始めたら冒険の収入より広告収入が上回りました  作者: 秋山機竜
第一章 まだまだダンジョン配信者として駆け出しのころ

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第63話 あくまで映画の撮影セットなので時代背景にあわせた技術がどうのこうのなんて野暮なツッコミはいらんのですよ

 やってまいりました、映画の撮影所。


 すでに撮影セットが構築されていて、役者さんとスタッフのみなさんが歩き回っています。


 どんな街並みを再現しているかというと、昭和の横浜です。


 ……いくらこの物語が中世風ファンタジーの建前を投げ捨てているとはいえ、鉄筋コンクリートの建物を設置しちゃなんて、やっぱり作者は頭がおかしいですね。


 でもほら、映画ですから、映画。


 そう、これは撮影セットであって、実在の建物じゃないので。


 武道家のシーダさんが、でっかいサングラスを少しだけズラすと、とある物体を指さしました。


「ユーリュー、あのシマウマみたいな鉄の箱はなんだ?」


「あれはパトカーと言います。まぁ中世風ファンタジーの世界観を軽くぶっ壊す乗り物なんですけど、ここは映画の撮影所ですから、深く考えないほうがいいですよ」


「わかった、深く考えない。あともう一つ教えてほしいんだが、我々に渡された【まぐなむ】とかいう小道具はなんだ?」


「お願いですから深く考えないでください……私だって困っているんですよ。まさか作者が昭和の日本を映画セットなんて形で物語に持ち込むとは思っていなかったから」


「作者ってなんだ?」


「あぶない刑事の劇場版、ウマ娘の劇場版、ぼっちざろっくの劇場版を一日で三件はしごしたバカのことです(本話の下書きは2024年の6月中旬でした)」


「うーん、よくわからないけど、バカなんだな」


「はい、その認識であっています」


 と会話しながら、撮影所の事務所に入ろうとしたら、ハンチング帽をかぶった中年男性が飛び出してきました。


 彼が映画監督です。


「君たちが衛兵隊の言ってた迷惑配信者だろ!? 実は主役の二人組がケガしちゃって、映画に出られなくなったんだよ。君たち若くて体力もあるから、囮役をやるついでに、代役もやってくれない?」


 えっ、なんで突然そんな流れに?


 でもチャンスですよね。映画の主役となれば目立ちまくりですから、配信者として成功するかもしれません。


 しかも囮役をやるときは配信をつけていい約束ですし、新ジャンル【映画の主役をやりながら配信してみた】の誕生ですよ。

 

「わかりました、その依頼、引き受けました! 代役まかせてくださいっっ!」


「いいね! その調子で頼むよ! さぁすぐに撮影開始だ!」


 映画監督の指名によって、私と戦士のアカトムさんが主役の刑事役になりました。


 コンビ名は、ユーリューとアカです。


 あ、危ないですねぇ。あぶない、あぶない。だって元ネタは【ユージとタカ】ですからね。ギリギリですよ、ギリギリ。


 ちなみに僧侶のレーニャさんと、武道家のシーダさんは、私たちがケガしたときに備えてバックアップになりました。


 というわけで、次回から囮を兼ねた配信、危ないかもしれない刑事・撮影編スタートです!

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