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レベル1からレベル5までしかいない低レベル女の子パーティーなんですけど、ダンジョン配信を始めたら冒険の収入より広告収入が上回りました  作者: 秋山機竜
第一章 まだまだダンジョン配信者として駆け出しのころ

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第59話 やっぱりバグありの記録狙いはおもしろいですよね

 もしRTAではないなら、ダンジョンの入り口で配信の視聴者と雑談しているだけで、PMCのみなさんが四天王を倒してクエストクリアでした。


 しかしRTAですからね。素早くクリアしてナンボですよ。


 ゆっくりRTAしていってね!


 というわけで、私はバグを利用することにしました。


 普通の神経だと、他のパーティーを応援して、しかもそれを配信の目玉にしようなんて考えないわけですよ。


 そのせいで、この世界を作った神様は、とあるバグを見逃してしまいました。


 さっそく実行してみましょう。


 まずはPMCのみなさんと、お坊ちゃんパーティーがモンスターに遭遇するのを待ちます。


 ダンジョンの入り口付近ですから、四天王の部下たちが待ち構えていました。


 標準的なコボルト、オーク、スライムの組み合わせですね。


 まぁモンスターの種類はなんでもいいです。そこは私がこれからやることに関係ないので。


 PMCのみなさんが、決して油断せず、それでいて力むことなく、モンスターと戦闘開始です。


「お坊ちゃんたちは後ろに下がっていろ。いくらザコモンスターでも、当たりどころが悪ければ死ぬからな」


 おお、さすが頼りになりますねぇ、元帝国兵だらけのパーティーだけあって。


 よし、私も自分の仕事をしましょう。


 応援配信らしく、ふれーふれーとポンポンを使って応援しながら、もう一つの行動を混ぜました。


 自分の道具袋の薬草を、仲間たちの道具袋に移し替えてから、もう一度自分の道具袋に戻す、を繰り返します。


 これによってバッファオーバーフローが発生して、私は地面の内側にある虚無空間に沈みこみました。


 はい、いわゆる壁抜けですね。


 これにより私はダンジョンの形を無視して先へ進めるようになったので、PMCのみなさんと、お坊ちゃんパーティーと、すべてのモンスターを無視して、四天王の待っている部屋に全速前進です。


 うちの配信のコメント欄が、すごいことになりました。


『なにが起きてるんだよこれwwww』『おれたちはいったいなにを見せられてるんだ……?』『やっぱりユーリューは頭がおかしいwwww』


 おー、さすがにバグ利用RTAを始めたら、配信の視聴者が増えてきましたねぇ。現在同時視聴者数500人ですよ。


 この調子でお客さんを増やすためにも、なにが起きたのかを、ゆっくりユーリューとして説明しますね。


「これはバッファオーバーフローというメモリのバグを利用した裏技です。VITで配信しているときに、二つのパーティーが戦闘中で、かつそれを非戦闘中のパーティーがポンポンを使って応援している場合、神様の意図しないバグが発生しやすくなります」


 ゆっくり化した武道家のシーダさんが、生首の形で首をかしげました。


「わけがわからん。なんでそんなことをすると地面にめり込むんだ?」


「神様は万能ではないので、デバッグ作業が足りていないと、想定外の行動でメモリが溢れるんですよ。薬草はデータテーブルの先頭に格納されているので、それを悪用すると地面をすり抜けられます」


「つまりゆっくりユーリューは頭がおかしい」


「ずいぶんとひどい物言いですが、まぁいいでしょう。というわけで、次回の更新では、なんと私が四天王とバトル!? するらしいですよ」


 次回の更新前に、よくある失敗パターンを画面右側の情報ボックスに載せておきます。


{フレーフレーと応援した際に、誤ってモンスターの注意を引きつけてしまいました。この場合、PMCのみなさんが助けてくれるんですが「お前は足手まといだ帰れ」と怒られてしまい、クエスト失敗になります。気をつけましょう}


 もう一つレアな失敗パターンも載せておきます。


{フレーフレーと応援した際に、実は私が女の子であることがバレてしまい、お坊ちゃんパーティーの一人に熱烈なラブコールを受けて、そのまま結婚エンドです。ある意味ハッピーエンドですね、だって玉の輿ですし}


*CMです*


 モンスターのハチ類も怖いけど、街中にいる昆虫のハチも怖い。そんなあなたの味方が害虫駆除専門業者バグ取りマスターです! 自宅の軒先にハチの巣ができたらバグ取りマスター。床下にシロアリが住み着いてもバグ取りマスター。カメムシが大量発生してもバグ取りマスターです。


 でも神様のバグは除去できないので、依頼しないでねっ!

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