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レベル1からレベル5までしかいない低レベル女の子パーティーなんですけど、ダンジョン配信を始めたら冒険の収入より広告収入が上回りました  作者: 秋山機竜
第一章 まだまだダンジョン配信者として駆け出しのころ

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第39話 冒険者ギルドでクエストを受注しましょう。えっ、受付のおじさん、スイートロールとハチミツ酒が好きなんですか?

 私たちは、配信者向けのクエストを受注するために、冒険者ギルドにやってきました。


 元酒場の居抜き案件です。


 そのため、受付はかつて酒場の女将が座っていたカウンター席で、店の奥にはテーブル席が残っています。


 厨房だった場所は、クエスト関連の書類や冒険用のアイテムを置くための保管庫に変化していまして。


 食糧搬入通路だった裏庭は、冒険者用の訓練場に変化していました。


 こんな感じで酒場をギルドに改装しても、床や壁にはビールと焼肉の香りが残っているため、ただ突っ立っているだけでお腹が空いてきますねぇ。


 ……おっと、食欲に負けている場合じゃないんですよ。クエストを受注しないと。


「受付のおじさん、南の渓谷にある定番クエストを受注したいです」


 冒険者ギルドでは、中年のおじさんが受付を担当していました。


 彼は若いころ冒険者だったんですが、膝に矢を受けてしまって引退したんですよ。


 おや、もしかして膝に矢を受けてしまって、というフレーズが気になりますか?


 ええ、そうなんですよ。


 彼の防具ですけど、バケツみたいなヘルメットです。


 暇なときにフスロダと叫んでいます。


 大好物はスイートロールとハチミツ酒です。


 うーん、危険な香りがしてきましたね!!!!


 このノリは中断して、元の流れに戻しましょう、自分の出演作品を守るために。


 受付のおじさんは、木製のフリップボードに、クエスト受注用の用紙をはさみました。


「最近多いんだよな、このクエストを受ける若いパーティー。さてはお前らもダンジョン配信ってやつを始めたんだろ?」


 私はフリップボードを受け取りながら、にやりと笑いました。


「まったくもってその通り。このクエストは配信向けなんですよ。そこそこ安全で、しかも撮れ高満載のトラブルが起きますし」


「撮れ高っていうのは、オレみたいなおじさんにはよくわからんが、たとえ簡単なクエストであっても、危ないと思ったらすぐに引き返してくるんだぞ」


 受付のおじさんは親切なので、低レベルパーティーには必ずこの忠告をしてくれます。


 ありがたいことですね。若者っていうのは、つい冒険に夢中になって、引き時を間違えるものですから。


 僧侶のレーニャさんが、カウンター席に肘をつきながら、受付のおじさんに質問しました。


「受付のおじさんってさ、冒険者時代はレベルどんぐらいあったの?」


「引退前でレベル二十だったな」


「結構高いじゃない。それぐらいのレベルで、どんぐらい稼げたの?」


「月間1300ゴールドぐらいだ」


 戦士のアカトムさんが、指折りでおじさんの生活費を計算しました。


「一般的な宿の宿泊費は、食費込みで1250ゴールドの計算だから、冒険者時代のおじさんは、野宿はまぬがれたけど、贅沢な暮らしはできなかったんだね」


 受付のおじさんは、バケツみたいなヘルメットの隙間から、ため息をつきました。


「戦士の技術はそこそこだったが、お宝を発見する嗅覚はなくってなぁ。こうやって冒険者ギルドの受付をやっているほうが安定して稼げるのさ」


 やっぱり冒険者は、どんな世代でも世知辛いですねぇ。


 どれだけ腕っぷしに自信があっても、それがお金儲けに直結しないので。


 でも現代であれば、ダンジョン配信で広告収入が追加で手に入りますから、以前よりも生活が潤いやすいわけでして。


 いやはや、私たちの生活も潤ってくれるといいですよねぇ、ダンジョン配信で。


 武道家のシーダさんが、私のほっぺを指でツンツン押しました。


「ユーリューのお肌、潤い足りてないのか?」


 どうせ私の肌は、あなたのツヤツヤぷるぷるお肌と違って、ガサガサですよーだ。


 まったくもう失礼しちゃいますねぇ。


 というか、こんなガサガサお肌であっても、陰でコソコソお金をかけないように手入れはしているんですが、いかんせん栄養不足では限度があるわけでして。


 やっぱり貧乏が憎い!


 でも希望を捨ててはいけません。ダンジョン配信でお金持ちになったら、栄養満点の食事でお肌を整えてやるんですから。


 という鬱屈した気持ちを込めながら、私はクエストを受注するための用紙にサインしました。

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