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レベル1からレベル5までしかいない低レベル女の子パーティーなんですけど、ダンジョン配信を始めたら冒険の収入より広告収入が上回りました  作者: 秋山機竜
第一章 まだまだダンジョン配信者として駆け出しのころ

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第36話 インタビュー対象その5 勇者パーティーの魔法使い(水攻めの考案者)

 私は、勇者たちの配信を手伝いながら、水攻めを考案した魔法使いにインタビューすることにしました。


 こちらのぼーっとしている男子が、勇者パーティーの魔法使い・ルリヤです。


 ぶかぶかのローブを着ていて、魔法大学が設計した最新式の魔法の杖を持っています。


 一部の女子が大好きな、糸みたいな細い目ですね。


 彼は肉体労働が苦手らしく、土木作業ですら魔法でやっていました。


 となれば、かなりの長時間、魔法を使いっぱなしなんですが、まったくMPが途切れていません。


 やっぱり勇者パーティーに所属するだけあって、桁違いのMPの持ち主というわけですね。


 そんな人物に、私は自前のVITを向けました。


「魔法使いルリヤ。四天王のダンジョンを水攻めするとなれば、敵から抵抗があるかもしれません。対策はあるんでしょうか?」


「それは企業ヒミツですよ。だって四天王が、この配信を見てるかもしれないじゃないですか」


 唇の前に人差し指を立てて「ヒミツ」なんてカタカナでいうやつ本当にいるんですねぇ。


 なんていうかこう……九十年代に大流行した超有名ライトノベルの獣神官っぽいんですよね。当時の女性オタクたちを狂わせた伝説のキャラクター・〇〇ス。


 まぁそんなことはどうでもいいとして、とにかく魔法使いルリヤは水攻めに自信があるみたいです。


「ずばり成功する確率は何パーセントぐらいでしょうか?」


「99%」


「100%じゃないんですね」


「たとえ成功すると確信していても、万が一ってこともありますから、作戦なんていうのはね」


 といいながら、魔法使いルリヤは、大工の親方に合図を出しました。


 親方は、ぐっと親指を立てると、水攻め装置のレバーを引きました。


 錬金ポンプが稼働して、海水がくみ上げられていきます。


 この装置は、錬金術師たちが作ったアイテムで、地下水をくみ上げる装置ですね。あれを加工して、水攻めに応用したみたいです。


 ドバドバと恐ろしい勢いで、海水がダンジョンに雪崩れ込んでいきます。


 この調子で洞窟内の水位が上昇していけば、ダンジョン内に陣取っているモンスターたちが溺れ死ぬはずです。


 うーん、帝国っぽい合理的な作戦ですね。


 もしや、なんの見せ場もなく、このまま水攻めで作戦終了でしょうか?


 それは私たち的にも困るんですよね。だって撮れ高が足りていないですから。


 と思っていたら、ざぱんざぱん、っと水を叩く音が聞こえてきました。


 なんですか、この不気味な音は。


 しかも水を叩く音は連続していて、まるで雨音のように反響していました。


 おやっ……もしやこの音って?


 そう、なんと四天王ダンジョンの筋肉ムキムキモンスターのみなさん、流れ込んでくる海水に逆らって、バタフライで泳いできたんですよ。


 先頭にいるのは四天王ドルンバンでした。


「はっはっはっは! 海の近くの洞窟に陣取っているのだから、水攻め対策など出来ているわ! 泳げばいいのだよ、泳げば!」


 なんてパワータイプな解決方法なんでしょうか。


 でも、せっかく水攻めがくるとわかっていたなら、知略で解決すればいいのに。


 いやまぁ実際どのモンスターも泳ぐのが上手で、ちゃんと有効打にはなっているんですけどね。


 うちの美少女武道家のシーダさんも感心しています。


「水攻めは泳いで回避。参考になった」


 あんなパワータイプの解決方法を参考にしないでください…………。


 というツッコミはあとにして、水攻め失敗の予感ですけど、魔法使いルリヤはどうするんでしょうか?


 答えはCMのあと!(次回更新に続きまーす)


 ****CMです*****


 こちらは、きらきらスイミングスクールです。帝国のあらゆる都市に設置された水泳教室であります。将来帝国海兵になりたい君も、夏場の川遊びで魚をゲットしたい君も、この教室に通って水泳技術を身につけよう!

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