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レベル1からレベル5までしかいない低レベル女の子パーティーなんですけど、ダンジョン配信を始めたら冒険の収入より広告収入が上回りました  作者: 秋山機竜
第二章 そろそろダンジョン配信者が板についてきて、お金儲けもぼちぼちやれるようになったころ
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第117話 取引先を紹介してもらいましょう

 ペスカータン山を下山しまして、いつもの町に戻りますと、手配師のゴロンと再会しました。


「ドラゴンストーンを本当に持ち帰るとは、なかなかやるじゃないか、ユーリューとその一味」


 ふふん、どんなもんだい。


 私たちは低レベルパーティーですけど、うまく立ち回れば納品クエストだってこなせるんですよ。


 と私が鼻高々になっていると、なぜか手配師ゴロンは私から一歩離れました。


「なんかちょっと臭う気がするんだけど、もしかしてイナズマストーンを回収するときに、ドラゴンのうんちまみれになったのかい?」


「臭いません! ちゃんと川で全部洗いました!」


「とかいって、装備のどこかにうんちが残ってるとか?」


 武道家のシーダさんが、私の靴を見下ろして、ぼそりと言いました。


「あ、ちょっと残ってる」


 およよよ……洗い残しがあったんですねぇ……うんちの臭いをまきちらすなんて、もうお嫁にいけないですぅ……。


 なんて落ち込むメンタルであれば、私は低レベルパーティーのリーダーなんてやれないんですよ。


 近くの井戸で水をくみまして、靴の洗い残しをきっちり落としました。


 どや! これで完璧!


 手配師ゴロンですが、まるで生ごみをチェックするような感じで、私の臭いを嗅ぎました。


「ふーむ、まぁ許容範囲内におさまったかな。それじゃあ仕事の話に戻ろうか。約束通り、帝都の富豪を紹介しよう。ただし紹介料はたんまりもらうからね」


 がめついやつ。でもまぁ紹介してもらわないと、私たちみたいな身元の怪しい冒険者風情は金持ちと会えないですからね。


「ちなみに紹介料の支払いは、イナズマストーンの売却が終わってからですよ」


「なにをいってるんだ。いま払いたまえ。そうでなければ紹介はできない」


 強情なやつですね。


 ふーむ、どうしたものでしょうか。


 手配師ゴロン以外の誰かに、イナズマストーンの売却先を探してもらうのも一つの手段です。


 しかし他の誰かが確実に紹介先を知っているわけじゃないんですよね。


 そもそもペスカータン山では、他の冒険者たちも消化済みイナズマストーンを手に入れたわけですから、彼らが都会のお金持ちに売り払った場合、私たちの売却先が減ってしまうんですよ。


 というわけで時間との勝負です。


「我々の手元には、ドラゴンが胃袋で消化したばかりのイナズマストーンが四つあります。そのうち一つを担保としてあなたに預けておきましょう。現在の相場だと一個1万ゴールドですから、私たちが売却に失敗したら、あなたが自分で売却すれば紹介料どころじゃない利益が手に入るはず」


 これはすごい金額ですよ。


 なんせパーティー四人の一週間分の食費が500ゴールドの世界なんですから。


 ちなみに一個1万ゴールドという単語で、 僧侶のレーニャさんが、いつものギャンブル依存症を発症しました。


「これを競馬で増やせば、豪遊できるじゃない!」


 はいはい、クソザコギャンブラーのくせに、増やせること前提で考えないでください。


 っていうか、あなた僧侶ですからね。戒律で賭博禁止ですからね。わかってるんですか。


 なんてうちのパーティーの内部事情はさておき、手配師ゴロンは納得したらしく、うんうんとうなずきました。


「わかった、その条件を飲もう」


 イナズマストーン一個を担保として預けて、それと引き換えに紹介状を受け取りました。


 お相手は、洋服の仕立て屋ですね。それも上流階級御用達の。


 さすがに帝都の仕立て屋、とんでもない利益を出していますねぇ。


 しかし、なんで仕立て屋がイナズマストーンを欲しがっているんでしょうねぇ。


 お金持ちの考えていることはわかりません。



 *CMです*


 ゼスト洋服店は、あなたの体型に合わせて新型の洋服を作ります。


 新型、そう、錬金術師と共同開発した心の形も整える洋服です。


 この流麗な服を着ることで、あなたの心は芯が強くなり、どんな逆境に負けなくなるでしょう。


 注:いくら心が強くなっても太らないでくださいね、せっかくのオーダーメイドスーツが入らなくなるので。

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