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レベル1からレベル5までしかいない低レベル女の子パーティーなんですけど、ダンジョン配信を始めたら冒険の収入より広告収入が上回りました  作者: 秋山機竜
第二章 そろそろダンジョン配信者が板についてきて、お金儲けもぼちぼちやれるようになったころ
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第115話 振り返ればうんちがいる

 うんち回、絶賛継続中! 私たちの背後からドラゴンのうんちが雪崩のように迫ってくるぅううう!


「こ、こんなうんち回は予想していませんでしたよ!?」


 と私が絶叫すれば、すぐ隣を走るおパンツ吟遊詩人のジェナーディーが犬歯をむき出しにしました。


「あなたが悪いんでしょう、こういう事態を計算しないで、いきなりドラゴンたちを呼び込むから!」


「私のせいにしないでください!」


「いいえ、あなたの責任ですわ!」


「もしこれが私の責任になったら、風が吹いて桶屋が儲かるのも私の責任になってしまいますよ」


「ええ、ぜーんぶあなたの責任ですわ、だから後ろからくるアレをなんとかしなさいな!」


 どどどどど、っと地響きを立てて、うんちの洪水が土砂になって流れてくるわけですよ。


 不幸中の幸いは、ドラゴンは岩とか木ばかり食べているおかげで、多少臭いが薄いことなんですけど、でもうんちらしい臭いはありますからね。


 うんちらしい臭いって、なんでしょう(哲学)


 そんなバカげたことをいって現実逃避している場合じゃないんですよ。


 さっさと下山しないと、本当にうんちで溺れて死ぬ!


 もはや配信のコメント欄を読む余裕がないです。でもまぁ盛り上がっているでしょうね、配信者がうんちの濁流から逃げる姿は。


 ちなみに神の視点でコメント欄を読むとこんな感じ。


『うんちwwww』『ドラゴンのうんち量多すぎwwww」『ペスカータン山はこれからうんち山として生きていくんだな』『草生えるっていうか、うんち生える』

 

 すっかりネタ化しましたね、配信場所も、私たちも。


 おかげさまで視聴者数がうなぎのぼりですよ。


 すでに10000人超えました。嬉しいけど、それどころじゃない!


 あともうちょっとで逃げ切れるんです。すでに山の麓は見えていて、だんだんうんち雪崩の勢いも衰えていて。


 でもあとちょっとが遠い!


 ひぃひぃ、私たちスタミナ不足ですね。他のパーティーはそれなりの距離まで逃げ切ったんですけど、私たちレベル低いですから、脚力も問題ありで。


 あと五十メートルぐらいです!


 小学生の五十メートル競走と同じぐらい逃げ切ればいいだけ!


 なんならうちのパーティーメンバーたちも、ついに逃げ切って、山の麓にあるちょっとした高台まで行きました。


 逃げ遅れているの、私とジェナーディーだけ。


「じぇ、じぇなーでぃ、あなた、足遅かったんですね」


「ぎ、吟遊詩人に、体力なんて……あるはずないでしょう……」


「ひひひ、うひひひ、ようやく山の麓……!」


 逃げ切ったと思ったんです、山の麓に到着したことで。


 実際、うんちの勢いだって弱まっていたんです。


 でも、どばーっと背後からうんちの山が押し寄せてきて、私とジェナーディーの膝から下ぐらいを押し流してですね。


 はい、微妙に間に合いませんでした。


 不幸中の幸いで勢いが弱まっていたので、溺れ死ぬことはなかったんですよ。


 でも、大事な防具とか道具袋とか、あれこれがドラゴンのうんちにまみれてしまって。


 しくしく、臭いですう……。


 おまけに仲間たちがひどいこと言うんですよ。


「せっかくうんちだらけになったんだし、うんちの山からイナズマストーン回収してきなさいよ」

「一度うんちで汚れたなら、もう一度うんちまみれでお宝さがしするのも問題なしだね」

「うんちの山に入ることも修行だな、ユーリュー」


 かー! なにが腹立つかって、もし逆の立場だったら、私もまったく同じことを仲間に言っていたからですねぇ。


 わかりましたよ、回収すればいいんでしょう、回収すれば。


 *CMです*


 クラウン消臭剤に清き一票を!


 みなさんおまたせしました、錬金術師ギルドが製作した、強力に作用する消臭剤です。


 これ一本使えば、なんと死臭まで消せます、呪術的に!


(使用方法を間違えると、あなたの嗅覚ごと封印されてしまうので、万が一の場合は教会で解呪してもらってください)

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