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レベル1からレベル5までしかいない低レベル女の子パーティーなんですけど、ダンジョン配信を始めたら冒険の収入より広告収入が上回りました  作者: 秋山機竜
第二章 そろそろダンジョン配信者が板についてきて、お金儲けもぼちぼちやれるようになったころ
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第106話 臭い石板に臭い小説

 町まで石板を持って帰ってきたわけですけど、一つ問題がありました。


 めっちゃ臭いです。


 街中歩いてると、通行人たちが険しい顔でチラっと振り返るぐらいに。


 そのせいで衛兵に職務質問されました。


「君たち、なんでそんなに臭いんだい?」


 ひ、ひどい、女の子たちに向かって臭いだなんて!


 でも、実際石板がシャレにならないぐらい臭いので、そこまで怒る気にはなれないというか。


 とにかくちゃんと事情を話しましょう。


「冒険中に、謎の石板を発見しましてね。それが臭いんです。衛兵さんも嗅いでみてください」


「うわっ、本当に臭い! 洗うなりなんなりしてくれ!」


「たしかに。衛兵隊の井戸貸してください」


 というわけで衛兵詰め所の井戸を借りまして、石板をばしゃばしゃ洗いました。


 ところがまったく臭いが落ちません。


 どういうことです、これ?


 衛兵も困っていました。


「なんで洗ったのに臭いままなんだ?」


 さぁなんででしょう? そのあたりもふくめて、領主ポンポに聞いてみましょう。


 こうして私たちは領主の館にたどりついたわけですが、やっぱり領主ポンポは手品の練習をしていました。


 今回はシルクハットから鳩を飛ばす練習です。


「ふーむ、鳩を飛ばすタイミングが命みたいだなぁ。失敗するとタネがバレちゃうし……」


 まーたこの人は公務をサボって、手品の練習をしていますよ。


 こういうのを税金の無駄使いっていうんじゃないんですか?


 私たちが白い目を向けていると、領主は慌ててシルクハットと鳩を倉庫に隠しました。


「ち、違うんだよ。たまたま手元にシルクハットがあって、たまたま鳩が館を訪れただけでさ、ね?」


「苦しい言い訳はいらないので、この石板を解読してくれませんか?」


 領主は石板に興味津々になると、うわっと鼻をつまんだ。


「臭いなぁ、この石板。っていうか、この臭さ、呪力の臭さだよ」


「呪力? 普通の汚れじゃないんですか?」


「違うね。これは強力な魔法を使える存在が、ついうっかり魔力をこめて文字を刻んでしまったのさ」


「ちなみに、石板には、なにが描いてあるんですか?」


「ドラゴンが使う文字で短編小説が書いてある。タイトルは【最弱だったはずのドラゴンの俺が、突然チート能力に目覚めて牝竜たちにモテまくりな件】


 ………………ドラゴンって、なろう小説を書くんですね。


 *CMです*


 空想の世界で最強になりたい!


 そんなあなたの願望を叶えてくれるのが、こちら【なろう魔法陣】


 この魔法陣に入りますと、あなたの理想とする世界にトリップして、自分の望んだだけのステータスが手に入り、異性にモテまくり状態になれます。


 ***注意、このシステムを多用すると、現実を否定して空想を真実だと思うようになります。用法用量には気を付けて活用してください***

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