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レベル1からレベル5までしかいない低レベル女の子パーティーなんですけど、ダンジョン配信を始めたら冒険の収入より広告収入が上回りました  作者: 秋山機竜
第二章 そろそろダンジョン配信者が板についてきて、お金儲けもぼちぼちやれるようになったころ
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第99話 リスクの計算と、冒険の費用の計算

 前回の嘘あらすじ:我々珍味ハンターは、伝説の食材を求めて大海原に繰り出した。大王イカと戦い、海賊たちを退け、やがてたどりついた絶海の孤島には、伝説のタケノコが埋まっていた!?!?!?!?


 はい、嘘ですからね。そんな盛大な冒険ができるほど、我々強くないですからね。


 実際のところは、レアな食材を探しに行こうとしたら、ドラゴンの生息している山に登らないといけないことが発覚して、これから作戦会議ですよ。


 私は軽く咳払いしてから、仲間たちに一声かけました。


「というわけで、みなさん、作戦会議です。ここらでドラゴン伝説の残った山といえば、ペスカータン山が有名ですが、我々はどうすべきかです」


 僧侶のレーニャさんは、珍しく真剣な表情で、びしっと挙手しました。


「誰かを護衛として雇うべきよ! 前回の冒険でこりたもの!」


 そうなんですよね。前回の冒険で、魔王の側近と接触することになってしまって、大いにこりましたからね。


 そういうハラハラドキドキ感を含めて、うちの配信の魅力ではあるんですが、死んでしまったらそれまでなので。


 戦士のアカトムさんは、ちょっとだけ渋り顔でした。


「いくら危険が伴う場所だからって、毎回用心棒を雇ってたら、人件費がかさむと思うんだよ」


 それも正論です。


 我々弱いくせにお金持ちになりたいから、ダンジョン配信者をやっているわけですから、お金の計算をきっちりやらないと、あっという間に赤字転落です。


 武道家のシーダさんは、ぶーっと露骨に文句を言いました。


「独立したパーティーとして、我々だけで登るべきだ。他人の手を頼るのは、あくまで最後の手段でありたい」


 それもまた正論ですねぇ。


 いくら弱くても、自分たちでなにかを成し遂げられないなら、そもそも冒険者をやるべきではないですからねぇ。


 もし護衛を雇うことに恥じらいを感じなくなったなら、商人としてイナズマストーンを探すべきですからね。


 こんな感じで三者三葉の意見が出てきたわけですが、最終決定権はリーダーである私にあります。


 さてどうしたものでしょうか。


 私個人としては、なるべくコストをかけたくないし、自分たちだけでやるべきだと思うわけです。


 でも死んだらおしまいですよ。


 ならば折衷案です。


「とりあえず、我々だけで山の入り口まで行ってみますか? もしそこで命の危機を感じたなら、町まで引き返して護衛を探しましょう。この方法なら、そもそもイナズマストーンのクエストを諦めて、他の配信ネタを探すという選択肢も生まれます」


 僧侶のレーニャさんは、ふむふむとうなずきました。


「賛成よ。慎重でいいと思う」


 なんで慎重案が好きなくせに、ギャンブル中毒なんでしょうか。まぁいいでしょう、人間っていうのは矛盾を抱えて生きるものですから。


 戦士のアカトムさんは、地面に埋まっているイナズマストーンを見下ろしました。


「無理してイナズマストーンにこだわらなくてもいいっていうのは、たしかにそうだね。配信で使えそうなネタなんて、他にいくらでもあるだろうし」


 そうなんです、我々あくまで偶然によって金儲けのネタを手に入れただけなので、ダンジョン配信者としては、他に稼ぐ手段がありますから。


 武道家のシーダさんは、軽くジャンプして体を温めるほど、やる気満々でした。


「山登りは楽しいぞ。もしかしたらイナズマストーン以外にも、おもしろいイベントが起きるかもしれない」


 おもしろいイベントって、まさか新しいトラブルのことじゃないでしょうねぇ。


 若干嫌な予感がするものの、とにかく山の入り口までは自分たちだけで行くという方向性は全会一致だったので。


 ペスカータン山に、れっつごー!

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