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タビの紀行録  作者: ふぅた
2/2

最悪な宣告

短いです

「うぅ、、ん」


寝返りを打とうとして身を捩らせる。

しかし、それが出来ないことを不思議に思いタビはうっすらと目を開けた。


「ん、目が覚めたか」


パチパチと音を立てながら周囲を赤く染めあげる焚き火。その温かな色と共に視界に入ってきたのはタビを殴ったあの男であった。


「貴様っ、、、、!! 」


慌てて身をよじらせるも身体が思うように動かない。ハッとして目線を下げると自身が縄で縛られていることに気がついた。


「まア、そうピリピリするな。何も取って食おうって訳じゃない 」


男は落ち着いた様子でゆらゆらと湯気の揺れる竹筒を口に運ぶ。恐らく茶でも啜っているのだろうか。その男の落ち着いた様子はタビが逃げることが出来ないと思っての行動であったのだろう。男の余裕のある表情を観察しながらタビは会話を続けた。


「一体何の真似だ、私をどうするつもりなのだ」


睨みながら尋ねると男はこちらに目もくれず焚き火を見つめながら口を開いた。


「お前を探していたのだと先程も言うただろう馬鹿が」


男は視線を空へと向ける。空には爛々と輝く星々が散りばめられていて、男はそれを眩しそうに眺めていた。

(何なのだこの男、星が眩しいわけがなかろうに)

タビは心の中で思ったが言わなかった。なぜならばタビら空気が読めるからである。今この男の不興を買う訳にはいかないと嫌味を心の中に留めた。


「、、俺はとある事情で王家の反逆者となってしまった。詳しく話せば長くなる。知りたいのだったらそのうち教えてやるが、、まア全部省いて言うならば私は追われる身になってしまった、ということだ」


「はぁ」


「俺一人で逃げ切ることは可能ではある。しかし、王都には捕らわれた私の忠臣達がいる。俺を逃がすために捕まってしまった者たちを助けるためには俺一人の力では流石に無謀だ」


「はぁ」


男は視線をタビへと向けた。

その目は覚悟を持った人間の目であった。


「お前の力が欲しい。その異能とその幅広い交友関係を俺のために使え」


「はぁ?」


思わず語尾の上がるタビに対し男は首を傾げた。


「なんだ、分からぬか。まア極端に言うと王都で味方を取り戻すのに付き合え。戦えとは言わぬ、お前にそこまでのチカラは求めていない。簡単に言うならば、、。


俺が剣になるからおまえは盾となれ、ということだ」


男が真顔で馬鹿にしてくるなかタビは絶句するしかなかった。


一人称間違えそうになる

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