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転生したら前世チートで無双する  作者: ゆる弥


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60.魔王

「では、出発!」


 騎士団長が張り切って号令を出す。

 野営でしっかり休んだ俺達はついに魔物の王、魔王に挑むことにした。


 ヒロも能力を使えるようになった。

 準備は万端ではなかろうか。

 結構山を登った感じで雲の上まで来ている。


「なぁ、そういえば、魔王ってどんな姿してんだ?」


「言ってなかったっけ? ドラゴンらしいよ」


「あぁ。ドラゴンか……」


「首が三つあるらしいけど」


 首が三つのドラゴン?

 なんかイメージ出来るな。

 見た事あるような気さえしてくる。


「言い伝えによるとね、首を三つ同時に切り飛ばさないと再生するらしい」


 一個一個切断すればいいと思ったが、そうはいかないのか。

 だとすると、俺も切るほうに参加しないといけないんだな。


「だから、ボクだけじゃ厳しいんだよね」


「一気に切り飛ばせないのか?」


「まだそこまで使いこなせてない」


 それはそうか。

 切るのを選択出来るようにはなったが。

 斬撃を飛ばすようなやり方は失敗でやった事。

 思ってやって出来わけじゃないからな。


「俺も参加して切り飛ばす。けど、もう一本はショウか?」


「俺がぶっ潰す!」


 拳を掲げて言っている。

 大丈夫だろうか。

 ドラゴンって拳で倒せるのか?


「まぁ、やってみるか」


 話しながら進んでいたらそろそろ魔王の縄張りのようだ。


「ふぅ……行くよ!」


 慎重に近づいていく。

 見えてきた。

 寝ているようだ。


 全長はビルの五階分位の高さがある。

 首の根元は二階分くらいの高さにあるから何とか切れるか。

 イメージしてたのよりは小さかったな。


「今の内に切断するか?」


「そうだね。ゆっくりと近付こう」


「っしゃぁ! かかってこいやぁ!」


 ショウ、うるさいぞ。


「グルルルルァァァァァ」


 起きてしまった。

 ショウ、後でヒロのお仕置だな。

 ヒロが笑顔で口元をヒクヒクさせている。


「グルァァ!」


 魔王は火球を放ってきた。

 騎士団が前に出て受けるようだ。


「我々が受け止めます! 攻めてください!」


 盾を前にして火球を受け止めている。

 相当熱いだろうに。

 騎士団は流石だ。


「よしっ! ボク達も行くよ!」


「ショウ! 一本は任せた!」


「はい! 師匠!」


 三人でバラバラに首へと向かう。

 固まって行ってしまうといい的になってしまうからだ。


 まだ魔王は騎士団に夢中になっている。

 今ならいける!


「行くよ!」


「「「せーーーのっ!」」」


「絶対切断!」

「しっ!」

「ウラウラウラァー!」


 ボトボトと首が落ちる。

 ヒロは能力で、俺は刀で切り落としたが。

 ショウの拳ではやはり厳しかったようだ。


 ドラゴンの鱗はそこらの魔物より固く。

 そして鋭い鱗だった為にショウの拳はボロボロになっている。


「レイさん! 回復お願いします……」


「こんなボロボロになってしまって大丈夫?」


 ヒロがレイにお願いし、回復をしている間ドラゴンは大人しい。ドラゴンも今は回復に時間を費やしているからだ。


 首の二本分を今回復している。

 残った一本は攻撃してくるが、騎士団が止めてくれている。


「ショウ、あれ切り離せるか?」


 俺が聞くとかなり厳しそうな表情をしている。

 思ったより硬く、手こずりそうだったのだろう。

 俺はある提案をした。


「なぁ、自分のポリシーより、勝つことを優先できるか?」


 そう言いながらナックルを差し出す。

 こんなこともあろうかと、以前に用意していた物を持ち歩いていたのだ。

 拳の敵に当たる部分は鋼鉄製になっており、指の形にボコボコとしている。


 これを付ければ傷は負わないし、切り離すことができるのではないだろうか。

 勝つことを優先するか。

 ポリシーを優先するか。


「俺は、ポリシーも勝つことも諦めません!」


 その目には覚悟が宿っていた。

 何か考えがあるのだろうか。


「ボク達は、勝たなきゃ行けないんだよ? いいかんげんに────」


「わかった……やってみろ」


 俺は間に入ってヒロを止めた。

 ショウのその目を信じてみることにした。


「はい! アケミ、頼みがある」


「なにぃー? アケミにできることー?」


「そうだ……」


 そこからは作戦会議となった。

 その間、耐えてくれていた騎士団には頭が下がる。


◇◆◇


「気を取り直して行くよ!」


「「「おう!」」」


 再び散開してドラゴンに向かう。

 首は復活してまた三本だ。


 同じパターンになるかと思ったが、魔王も馬鹿ではない。

 三本の頭でそれぞれに火球を放ってくる。

 避けながら近づく。


 騎士団も自分達に意識を向けさせようとチクチクと攻撃しているがそちらは向かない。

 完全に無視されたようだ。


「一二の三で行くよ!?」


「「おう!」」


「いーち! にーのっ!」


「アケミ頼む!」


 ショウがアケミに呼びかける。


「オッケー! 行っくよー! ホーリーレイ!」


 ショウが向かっている魔王の首に光のレーザーが当たる。

 半分が焼ききれた。


「さーん!」


 ヒロの掛け声が響いた。


「絶対切断!」

「ふっ!」

「うぉぉぉーらぁぁぁ!」


 ボトボト…………ボト


 三本の首が……落ちた。

 ズズゥンという音と共に体が倒れ込んだ。

 血がドバドバと流れ出ている。


「はっ!? 血を回収するぞ!」


 俺は急いで瓶に血を入れる。

 ヒロも瓶に入れている。


 俺達は意外と呆気なく魔王を倒した。

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