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二面性

 俺の名前はサイガ・コイズミ。

 その名前しか思い出せない。

 頭痛がする。

 ある雪の事。

 気がついたら小さな小屋に住む主人に看護されていた。

 パチパチと巻き火が燃え、暖炉は綺麗な煉瓦で装飾されている。

 むくりと俺はベッドから起きた。その反動で上半身の包帯で包まれた身体が痛む。


「いてて。

 あのすみません。ここはどこですか?」

「やっとお目覚めになったんですね。

 ここはシロナゴミ村の端にある小屋です。

 僕だけが住んでまして、あなたが怪我して倒れていたので手当てしてベッドまで運んだ次第です」

「そうなんですね。

 ありがとうございます」


 俺は深く頭を下げた。

 主人は顔は若く、俺と同い年にも見れた。

 コップに入れたお茶を持ってきて、主人は俺に手渡す。


「カミナさんを知ってるんですか?」

「カミナさん?」

「そうです。

 看護しててたまたま服を脱がしていたら幼馴染の女性カミナさんの写真が出てきたので。おまけにラブレターなどやりとりしてたみたいです」

「そうなんですか。

 いや、思い出せない」

「あまり無理しないでくださいね」


 そう主人が言うと、小刻みに主人の椅子が揺れた。俺のベッドも揺れた。地震ーーではない。家全体が震撼している。


「大変ですよね。

 今現在戦争で国と国が争ってます。

 僕は病弱で兵士にはなれずに気づけば仲間外にされて村から逃げました」

「そうだったんですね。

 俺は多分旅をしてシロナゴミ村に辿り着き、カミナさんと出会い、その間に徴兵されたのかもしれません。それで戦争の後遺症で記憶喪失に」


 頷きながら主人は訊いていた。そして、


「宜しければ記憶を戻すために彼女に会いに行きませんか?」


 その言葉に俺は驚愕したものの、あっさりとOKしてお礼を言った。

 そこから数日の看病生活が終わり、主人の熱心なご好意もありで怪我もみるみるうちに回復した。そこから俺と主人は旅の荷物を纏めて出発した。

 春の事。


 シロナゴミ村に到着したのだが。

 しかし事件は起こった。

 彼女を見つけたものの彼女はもう顔が整った偉丈夫と結婚しており、娘もいたのだ。

 女性とは愛する人がいなくても強いものなのだ。


 シロナゴミ→ミナゴロシ

 ストーカーの話

 手紙は全てサイガが作ったもの

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