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天使は訳あって謎を解く  作者: 流田三
6/7

4 上司は心配している ー聖様視点

前回言った通り聖様視点です。

天界から私が、人間界へと降りてきた際、辺りは真っ暗で、人間界でいう丑三つ時という時間帯だった。

おそらく、ほとんどの人間は寝静まっている頃だろう。


隣では、あいかわらず無表情で天使が、人間が住む建物をじっと眺めていた。

初めて見るから、物珍しく感じるのだろう。

早速、私は黒く染まっているはずの魂がある一つの家に窓から入った。

窓は三階に位置する場所にしかなく、下から入ろうとするには幾重にも頑丈に鍵がされてある扉がある。

飛ぶことができるか、または扉を突破することができなければ、きっとこのような場所には入れないだろう。


「ここがかの者がいる場所だ。」

そう天使に告げると物珍しいのか表情は変えずに目だけきょろきょろと動いている。


黒で統一されたシックな部屋、天井からシャンデリアがぶら下げられている。そしてフリフリが装飾され天蓋つきのベットというのが天界にはないからな。


私は、天蓋つきのベットに近づき、黒髪の女の子の近くに来ると天使に指し示すために

「この子がそうだ」といった。


じっと何も言わず彼女を見つめた後、確かめるようにゆっくりと目線を上げ目を合わせてくる天使。

これは、何かいいたいことがあるな、そう思って少し私は身構える。

「一言申し上げても、よろしいでしょうか。聖様」

「何だい。天使?」

何を言われるんだ…鼓動が早くなる。


「なぜ、聖様もここに?」

何だ、そういうことか、と私は安堵し、平然とした顔に見えるように気を使いつつ。


「ん?それは君が何をすればいいかわからないと言っていたじゃないか。だからそれを教えようと思ってね」

といい、ごまかしの術、Wink(ウィンク)を天使に初披露する。内心心の中では我ながらにうまく決まったと思っていた…。

しかし、次の天使の言葉で私は脱力した。

「聖様。片目大丈夫ですか?痛いのですか?」

天使、私の努力の成果が目が痛いからって…Wink(ウィンク)相当練習したんですが…

内心泣きつつ、動揺しないようにと…


「大丈夫。痛くない。これはね、Wink(ウィンク)というんだよ」思わず半分棒読み状態で返事を返す私。

心の中は相当ダメージを食らってますよ。天使(アリア)…。


Wing(ウィング)?全く翼とは関係ないように見えるのですが?」

天使…相当な天然…。聞き間違いという予想外の展開に思わず私のツボにはまり、腹筋が崩壊するほど笑ってしまう。


「…Wing(ウイング)じゃなくてWink(ウィンク)ね。顔の表情表現方法の一つだよ。何か相手にメッセージを送るときにするものだよ」

「なるほど、勉強になります。」

天使は相変わらず素直である。とても良い子ですね。


納得しているとベットから「う…うぅ…ん」と澄んだ可愛らしい唸る声が聞こえてはっとし、声の主へと顔を向ける。

先ほどと違い、黒髪の女の子は、布団で顔が見えない上状態だったが、唸りごえとともに顔を別な方向へと向けたため、布団が落ち、顔が露わにその瞬間私は思わず、衝撃を受け一瞬息を飲んでしまいました。


「…!?」

女の子の肌は白く、まつげが長く、目鼻立ちがくっきりしており、人間が作るというまるでドール人形の様に中性的な顔立ち、それは隣にいる天使と同じような姿形。ただ違うのは、髪の毛の色。あと、あれが一緒だったら…

ベット上の女の子は、眉を寄せ、苦しそうなのだが、思わず綺麗でついじっとその様子を眺めていた。

心臓がドクンドクンと聞こえる…そして、ゆっくりと女の子は目覚め天使を見た。

…ぞわりっと背筋が撫でられた変な感覚がする。天使と女の子…ともに同じ赤い目で…まるでドッペルゲンガーそんな変な感じがする。

思わず、ぼそりと「同じだ…」とつぶやいてしまった。


天使は不思議そうに私を見るが、「…あなたは…だれ…?」といった問う澄んだ可愛らしい声で目線が戻る。

もしかして私たちが見えているのか。いや、そんなはずは…戸惑い驚く私に疑問を問いかけるように天使が目線で訴えてくるのを感じる。

驚きすぎて、天使に何も返せない…やはりこれは、神が言っていたことが本当だったのか?



「…迎えに…きたの?」

頭を懸命に動かしつづ、今回のことが、相手に悟られないように顔に笑みを浮かべ直し少女の前で片膝をつき、挨拶する。天界で一般的な挨拶だ。


「私の名は聖・エル。娘よ。…私のことが見えているのか?」


相手は当たり前にように挨拶を受け入れ、正しく名前を呼んだ。

「ええ、そう…聖…様…」


やはり、彼女はそうなのか…。この事態が本当なら天界を揺るがすことになる。

「君に問いたい。君は人間か?」


彼女の赤い瞳は、私の目をとらえ、そして歪められる。


天使が焦ったように「聖様何を、おっしゃっているのですか?」と言っているのが聞こえる。

きっと普段と違う態度と言葉に何かあると感じたのだろう。


安心させるように天使に顔を寄せると「それは、後で理由を話そう」と小声で囁く。

少し納得していないようだったが、天使は何も言わず引き下がった。


改めて少女の方を見て問いかける。

「あなたがいうように私はあなたを迎えにきたのだ。受け入れてもらえるか?」

女の子は嬉しいそうに見える笑みを浮かべた。


「…えぇ。聖…様。私はあなたがそう言うなら…受け入れます…しかし…」


女の子はふと暗い顔をし、同時に黒いものが出てくるのが見える。

これは…。


「わた…し…私…助け……ない…と」


女の子が苦しそうに咳き込見始め、私は覚悟を決め息をひそめる。

その途端、女の子の周りに黒い瘴気が溢れ出て、ふわっと汗が吹き出る。

思った以上に辛いが負けじと笑顔を保ったまま


「誰をだい?何を助ければいい?」

そう絞り出すように言う。


「知…恵を…求めた…ものを…助けて…」


知恵を求めたもの…?

それは、背中からさらに冷や汗が噴き出す。やはり彼女は…。

そうなると私が直接関わることは()()()だろう。だからか、神が天使(アリア)を使えと言ったのは…。

「君の願いは聞き届けた。君の願いは、この者が叶えるよ。」

そう言って、天使を彼女の前に生贄ごとく差し出した。


とても嬉しそうに彼女は言う。

「…本当?」


表情一つかえずに天使は「…はい。安心してお休みください」と言った。


女の子は意識を失うように倒れ瘴気がふとなくなると体から魂が抜け出る。

その魂は、怪しく艶やかに光っているように見える黒い魂だった。


「ふぅ……本当に彼女がまだ人間でいたのが不思議なくらいだよ。」

ぽそっと口について出る。本当にどうして彼女が、今まで人間でいられたんだ…。


「どういうことなのですか?」


天使にはまだ、知られるわけにはいかない。

「あぁ、後で、それは話すよ。とりあえず、私は彼女を天界へ連れて行くよ。」


そうとわかれば逃すわけにはいかない。

女の子の魂に手を触れ、天使に触れて私は唄を歌う。

何も疑うことなく、天使は彼女の中に吸い込まれ、そして彼女(アリア)として眠っている。


その様子を見て、少し寂しいような感覚が私を襲う

「天使…君はこれからどうなるのだろうね。行ってくるよ。」

そう言って、黒い彼女の魂を持ち、その場を私は離れた。


天界に黒い彼女の魂を連れていく。

天界についても魂は黒いままで、目覚める様子はなかった。

それは神様がああ言っていたことが本当なら当然だと思った。

自分でも耐えられずに居られるか。ギリギリのところだろう。

急いで神の元へ帰る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ただいま戻りました。

” やはり、疎外される要因がなかったことが助けられた要因だったか・・・”

はい。

” それで私が言った通りにしたか・・・。”

ええ、神様

この魂はあなたにお返しいたします。


黒く染まっていた魂は神に吸い込まれるようにして消える。


” 聖よ。さぁ言っておいで ”


はい神様。

私はそう言うと急いで天使…いや、現アリアの元へと急いだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


天使には戻って事情を話し、これからのことを話した。

まだ、全ての事情はアリアには話せない…。

それが、アリアの試練であり乗り越えるべき使命であるのだから。

ただ、忘れないでいてほしい。これから君には様々なことがあるだろうだがこれだけは忘れないでおくれ


「…そう、信じるものは救われるだよ。アリア」


それを聞いたアリアには少し顔を歪められ、

「聖様、神様の言葉を都合よく利用しないでください。」

と諭されてしまったけれども…。



思った以上に聖様天界で何してたか書けなかった…。

すみません。意味がわからん言葉神様と話して終わってもうたw

まぁ、これからのち、わかっていくと思うので大丈夫だと思いたい…多分?

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