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満心創痍

作者: ちなつ。

 頭の中の思考がまとまらない。

 夜の闇に飲み込まれそうになるくらい、

 自分を求めて、自分がわからなくなる。

 いいや。

 願った自分と、祈った自分と、

 今の自分を照らし合わせて、

 何一つも心と結びつかないから。

 混乱に似てる。

 パニックでも起こしているのかもしれない。

 だから、思考回路が乱れてる。

 考えがまとまらない。

 脳みそがひりひりしてるんだ。

 現実を認められないの。

 直視するのが怖くて、怖くて。

 今日が重たすぎるから。

 だから、

 眠たい瞼を開くことができない。

 祈りも願いもどっか行っちゃった。

 あきらめているつもり。

 あきらめたつもり。

 でも、五感はまだ求めてる。

 第六感もきっと求めてる。

 無意識を意識しているんだもの。


「あきらめた。」


 なんて、嘘だよね。


 それはすなわち、

 なりたかった自分を捨てきれていないだけ。

 なりたかった私になれなかった事実を、

 どうにかして誤魔化したい、

 ただ、それだけ。

 時間を重ねた私が私である以上、

 どれほど忘れたい過去もどうしようもなく私自身であるという現実を、

 そんな今を、

 受け止められないから。

 逃げ道を探して、

 言い訳を探して、

 言葉を探すの。

 不幸な私をきれいに着飾れるような言葉を探すの。

 言葉を紡げば、

 思考になるから。

 何か良い考えが浮かべば、

 もしかしたら、

 願いも祈りも何も叶えられなかったあの日の私を慰めてあげることができるかもしれないから。


 傷が癒えない。


 だから、いつまでも同じことを言う。


 こんなだから。


 言葉は違っても。


 言っていることは変わらない。


 飽きっぽい性格のくせして。


 同じことにぐるぐると心を乱される。


 ともすれば、


 私は本物の馬鹿なのかもしれないね。


 傷を撫でる。

 心の傷を撫でる。

 不幸な私は、

 それで痛みを感じることはもうやめた。

 ちょっとくらい気持ちよくならないと、

 もうきっと、やってやれない。


 どうしようもなくボロボロで、

 どうしようもなく大嫌いで、

 とんでもなくどうしようもできない自分を、

 そんな満心創痍な私を、

 癒してあげられるのは、


 果てして、私だけなのか。


 それとも、私じゃできないのか。


 誰かじゃなくちゃ、叶わないのか。


 あるいは。


 私と誰かじゃなきゃ、成しえないのか。


 それがわからない。


 それを考えなくちゃいけない。


 そんな衝動に駆られてる。


 こんな衝動に駆られちゃったから。


 どうやら今日は眠れそうにない。

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