3日目 act.1
やった。やりました。
私 井上絵美は20歳にして
初めて彼氏ができ そしてキスもSEXもすることができました。
しかも 相手はKIYOSHIです。
めちゃくちゃ良い男で めちゃくちゃ優しい男とすることができました。
もう 神様に感謝です。
もしこれが 今まで恋愛をしていなかったからだと言うなら
本当 そこそこの男と付き合わなくて良かったなぁと思います。
中学の時に少しだけモテていた時期がありました。
と言っても そこそこ人気者だった男子に好かれていただけなんですけど
周りが良いっていうなら付き合おうかなぁ 虎之助は全く異性に思ってくれないし
そう思って 付き合おうか思ったけど 付き合わなくて良かったです。
本当 今まで恋愛しなくて良かった。
ありがとう 神様。
いや この場合はあの天使だろう。
ありがとう 天使。KIYOSHIを彼氏にしてくれて!!
これから私は ずっと ずっと KIYOSHIを好きでいます!
2人で幸せになります。
「ちょっとまちいな エミちゃん。」
あれ?天使の声が聞こえる。
「僕 言ったよね。エミちゃんは1週間しか 好きな人と付き合えんって。」
えっ 1週間?
「そう1週間だけやって言ったやん。覚えてないん?」
そうかぁ 1週間だけか…
えっじゃぁ KIYOSHIと付き合って3日目ってことは…
「後4日間だけじゃん。」
ガバっと起き上った。
心臓がドクドクと言っている。
あと4日だけって 今日過ぎたら半分は終わってしまう。
私とKIYOSHIの恋愛は あと4日間の命。
「まじかよ。」
溜息と一緒に言葉を吐き出す。
瞳を瞑り また寝転がる。
フワフワのベッドは気持ちいい。毎日洗たくでもしているのだろうか?
いや KIYOSHIは毎日仕事で忙しいんだから クリーニング屋さんでも来てるのだろうか。
私は顔を左に向けた。
目の前にはKIYOSHIの寝顔がある。
あんなにも私が騒いだのに KIYOSHIは全く気付かず。肩で呼吸をして寝ている。
私 KIYOSHIとしたんだ。
改めて確認すると お腹がくすぐったくなり笑顔がこぼれる。
KIYOSHIはやっぱり優しくて 何度も頭を撫でてくれたり キスをしてくれた。
不安そうな顔を私がすると 少しだけ眉間を緩めて笑ってくれた。
きっと虎之助だったら こんなに優しくはならなかったと思う。
そう思ったとき 虎之助と中断していたメールが気になった。
今まで 謝りのメールに関しては全て返信していたのだ。
KIYOSHIが起きないように 私はゆっくりとベッドから離れる。
そして床に落ちていたワンピースを拾い それを着る。
窓辺に捨ててあるケータイを拾い 画面に明かりをつける。
着信10件 メール3通
全部が虎之助だった。かなり心配してるなぁ。
そう思いながらも 私は電話をするつもりどころかメールの内容も見るつもりもなかった。
「おはよう 絵美。」
朝から聞こえるKIYOSHIの声は 目覚まし時計の声とは比べ物にならない。
体中が ぱっちりと目覚める。
「おはよう 潔。」
潔は 瞳を一にしたまま でも口は横に伸ばしたまま。
「かわいいな そのワンピース。絵美は白が似合うよ。」
朝からストロベリーのような甘い言葉を言われ 私は照れ笑いをする。
そして 虎之助に1通のメールを送った。
【私は今 潔と付き合ってるの。
潔は 私を好きだと言ってくれてる。それだけを信じたい。
エミ】
後 4日間。
私の恋愛量 全てを潔にささげたい。