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7Days  作者: 八王女
12/23

5日目 act.1

中学の時に少しだけモテていた時期がありました。

と言っても そこそこ人気者だった男子に好かれていただけなんですけど

周りが良いっていうなら付き合おうかなぁ 虎之助は全く異性に思ってくれないし

そう思って 付き合おうか思ったけど 付き合わなかった。

私は やっぱり虎之助が好きだから。

幼稚園の頃 好きだった先生に失恋して ってただ奥さんいたのを知って

泣きまくる私にもらい泣きしながら 頭を撫でてくれた時から虎之助が好きだから。

でも 好きになってくれた 男子は全く諦めてくれなくて

「付き合ってる奴いないなら オレと付き合ってよ。」

って 電話でもメールでも会話でもしつこく言われて

それを嫌がって 男子を無視してたら 男子を好きな女子たちに呼ばれた。

あんた調子乗りすぎ!!

そう言われて 墨汁入った水風船投げられて 制服を墨色に染められた。

私じゃなくて 虎之助が。

ヒーローみたいに 水風船を投げられた直後に現れて 私の盾となってくれた。

「あのなぁ こいつレズなの!男に興味ないんだって!こんなことしてると お前らが狙われるぞ!こいつレズでMでもあるんだからな!!」

最悪なウソを虎之助は言って 私を助けてくれた。

えぇ 男子のしつこさもなくなり 女子たちは近寄らなくなりました。

私 このまま一生彼氏出来なかったら トラのせいだからね!

はいはい。お前が21歳になっても 1回も彼氏作らなかったら オレが責任もって 一生面倒みますよ!

本当?

まじまじ 約束するわ。

「懐かしいよなぁ。」

今から8年ほど前の出来事を思いだし 虎之助はポツリと呟く。

「お前は覚えてた?」

覚えてるわ。

私 潔に会うまで1秒でも忘れたことなかった。

そして この約束を守ってもらおうと 彼氏を作らずにいた。

「オレ お前が今まで彼氏作らないのって これが原因だって 調子に乗ってた。」

なんで今さら この話をするんだろう。

【今の講義終わったら この前イチゴオレ投げつけた場所で会わない?

エミ】

別に 虎之助から昔の話を掘り上げてもらおうとしたわけではない。

相模の号泣に責任を感じて 虎之助に会って仲直りというか 普通の頃に戻ろうとしただけだ。

私は 潔が大好きで潔以外は考えられない。だから 虎之助の恋愛をこっちに持ってこないで。

私がビシっとそう言うと 虎之助は真顔でコクンと頷き 昔の話をしだした。

「別に虎之助が原因で彼氏作らなかったわけじゃないし…」

私は 見栄を張ってウソをつく。

「それに実際 今は潔と付き合ってるし。」

「そうだよなぁ。」

虎之助が初めて 私と潔の交際を認めた。

「お前 潔と付き合ってるんだもんな。しかも 超ラブラブ。」

「うん…信じられない?」

私は 虎之助の横顔を見る。

いつもなら 緊張してドクドク鳴る心臓も 今は正常にトクントクンと鳴っている。

虎之助は一瞬私と視線を合わせると視線を外し

「いんや 信じる。お前は潔と両想いだ!」

自分に言い聞かせるように大声で言った。

そして 頭を大きく下げて

「本当 今までのことごめん!オレ どうかしてた!本当にごめん!!!」

そう謝った。

私は鼻から息を吸い 息を出す。

これで もう虎之助に悔いはない。

私は 虎之助の襟足を見つめながら

虎之助にあった好きと言う気持ちが なくなったのを確認した。

だって 虎之助を見てもときめかないし

虎之助が言っていた オレ どうかしていた! っていう気持ちを知りたいと思わない。

ただ 潔との交際だけは認めてほしかった。

その気持ちだけが存在していた。

「もういいよ。これからはお互い恋人大切にしないとね。」

私はそう言って 虎之助の肩に触れた。

アルコールを飲んで酔わなければ 触れなかった虎之助の肩。

今はしらふで 緊張もせずに触れらる。

これで私にとって虎之助は 好きな人から友人へと変わったんだ。

そう確信して 私は強く虎之助の肩を掴む。

「ほーら もういいから頭上げて。」

だけど 虎之助は頭を上げてくれなかった。

私は気づく。虎之助の肩が震えていた。

虎之助 まさか泣いてる?

そう思ったのと同時に

お願いだから私の所に来ないで

と強く願う。

虎之助は 震えた声で言う。

「お前 本当に彼氏作ったんだな。」

虎之助は 私の中に入り出て行ってはくれなかった。

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