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7Days  作者: 八王女
10/23

3日目 act.2

学校に行ったのは午後。

最悪なことに 虎之助と同じ講義だった。

「なぁ 本当に悪かったって。」

私が教室に入るなり 虎之助はべったりとくっついてきた。

もちろん 席も隣に座る。ついでに 虎之助の隣は相模だ。

「ねぇ トラ。井上さんに何したの?」

オレ 絵美が処女だということを 超めんどうと言いました。

なんてことを彼女に言えるわけがない。

ちょっとな。

虎之助はそう言って相模に笑った。

本当に こいつは最低だ。

だいたい彼女に言ってないってことは 自分でも気づいてるじゃん。この言葉言ったら嫌われるって。

それを私には言ったんだ。私には嫌われて良いってことなのか?

考えるだけイライラして 頭が煮えそうだ。

ちょっと絵美 落ち着きなさい。頭冷ましてよ。あんたついさっきまで誰といたの。

潔といました。しかも 大学まで潔が送ってくれました。

そう。だから 虎之助のことでイライラしても意味ないでしょう。変なところで気力使わないの。

そうだよね。私には潔がいるし。

口元が自然と緩む。私は今 笑顔を自然と作れている。

「気にしないで。もう どうでもいいことだから。」

私がそう言うと 虎之助は口を鯉のようにパクパクとする。

「どうでもいいって…許すの?」

はぁ なんなの?許してほしくないのか!ビンタが欲しいのか?ビンタが?

「うん いいよ。私も返信しなくて悪かったし。」

心裏腹 ニコニコと笑いながら返事をする。

笑顔を作っている私の異変に もちろん虎之助は気づいている。

けれど 私自身がいいんだと言っているのだ。他に言葉が見つからず 虎之助は見つめ続ける。

「もういいじゃん トラ。井上さん許してくれたんだから。」

あまりにも見つめる時間が長かったからか 相模が声を大きくして言った。

固まっていた虎之助の顔が動き 相模を見つめた。

「あ あぁ。」

「それよりさぁ。今日 授業終わったら どこ遊びに行こうか?トラ 行きたいところある?」

「いや 別にないよ。和泉が行きたいところでいいよ。」

トラ 和泉か。

いつの間にやら 2人名前で呼び合っちゃってさ。

昨日の私なら くそっ相模め!!と怒っていたかも知れない。

でも 今は全く気にならない。お2人もお幸せに〜♪なんて思ってしまう。

鞄に入れていたケータイが バイブでメール着信を教えてくれる。

私は ケータイを取り出し画面を見る。

【これから 仕事。

明日夕方にならないと 会えない。

寂しいけど がんばるよ。

潔】

思わず自然な笑顔を作る。

虎之助は その表情をチラリと盗見をしている。

けれど 私は全く気付かずに返信を送る。

【そうか。私もさみしいよ。

けれれど しょうがない。

仕事 無理しない程度に頑張って。応援してるよ。

エミ】

今日は 会えないか…

ってことは 明日いれて3日間か。

1回でもいいから1日フリーの日がないかなぁ。

そしたら デートしたいな。ドライブとかしたいし。

潔とのデートプランを考えて ニヤニヤ笑ってると またケータイが震える。

と 同時に 講師が教室に入ってくる。

私は 慌ててメールを確認して ケータイをしまう。

【絵美 大好きだよ

潔】

やばい。

あんなメール見たら 私はこの講義ずっと笑顔になってしまう。

大好きだよ。って 潔から大好きだよって。

すでに 笑顔固定になっている顔に虎之助はポツリと呟く。

「今日 お前ワンピース着てるんだな。もしかして KIYOSHIの家からそのまま来たの?」

私は一瞬だけ虎之助を見て こくりと頷いた。

「へぇー でっどうだった?」

授業が始まっても虎之助は話しかける。

「どうだったて何が?」

ボソっというと虎之助もボソっと答える。

「KIYOSHIの反応だよ。お前のこと知ってめんどうって言わなかった?」

穏やかな。

そう穏やかな雰囲気が一瞬にして大火事となる。

私の理性が一瞬にして爆発した。

パチン!!!!いやバチン!!!!か。

とにかく 虎之助の頬を叩いた音が教室中に響いた。

相模は 「きゃっ」と悲鳴を上げた。

何事だ!?

教卓で出席をとっていた講師は 周りをキョロキョロしていた。

「ばぁぁぁか 本当に最低!死ね!トラなんて死ね!!」

私は 心の奥からそう叫び 教室を出た。

やばい。この講義 必須の講義なのに欠席してしまった。


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