私は
私は死ねという言葉を頭の中で浮かべ
それを飛ばすだけで相手を殺すことができる
私はそれをずっと悪用してきた
私はそれにずっと苛まれてきた
私はそれにずっと苦悩したきた
今になってわかった
ようやく理解した
殺していたのは相手だけではなかったのだ
私が知らず知らず殺していたのは 自分自身である
誰彼構わず殺し
そして自分をも殺していた私は
もはや戻ることも戻すこともできない八つ裂きの身だ
今や私の躰は
殺してきた相手の数だけ分離し乖離してしまっている
残ったものは体と がらんどうの器のみ
止められない殺しと共に私は彷徨う
無くなったはずのそれをさらに切り刻みながら
死を繰り返し生き永らえ歩く屍となりながら
私はわからない
私がわからない
自分がわからない
私は今日も問いかける
私は
誰だ?