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死者が住まう街の中で・・・  作者: ゾンデレラ城の雑務担当
3/8

ゾンビが出会いを求めぬのは間違っているだろうか?

なんでこんなに夏は暑いか知ってるか?

地軸が23.4度傾いているからだぜ?

小学生かっ!


いやー、暑さで脳ミソ蕩けそう。

可笑しなテンションになって来た。

そもそもなんで昼間っから街の中ぶらついているんだっけ?

普段は過ごしやすい夜型の生活なのに。


俺はこのクソ暑い中、人気の無い街を、

影を探し求めながら原付きを転がして彷徨っていた。


日焼け対策は万全。

真っ白な防護服で出来るだけ日光を防いでいる。

内部温度も抑える工夫をしている。

でも、暑いものは暑い。


あの寄生虫が大流行してもう直ぐ2度目の夏が来ようとしている。


1度目の夏は流行真っ盛りで、

一刻一秒の間に地球人口はゾンビ人口として

統計数量をそっくりそのまま書き換えようとしていた。


あれから一年。

多くのゾンビは腐るか餓死するかしてくたばった。

来年の夏には居なくなるかもしれない。

なんなら今年の夏にでも全滅してるかもしれない。

対策している俺でさえ、この暑さの前に命の危機すら感じ始めて居るのだから。

頭がパーパラパーな他のゾンビ達は運が悪い奴らから死んでいくだろう。


生き残るのは偶然日差しの少ないところで、食料に恵まれて生活ができるゾンビ達だけさ。


渡る世間はゾンビにつらい鬼ばかり・・・



え?ゾンビの食料は何かって?


それはもちろん人間・・・

じゃないんだな、これが。


だって人間の貧弱な顎や歯だと10人食い殺す前に歯が折れてなくなるか顎が外れるかするさ。

やたらと噛みつきたがる割には、噛みつくだけ噛み付いて諦め、

他の人間目指してさっさと歩み始めるのさ。


噛み付きはゾンビ達にとっての挨拶と言っても良い。


仲間同士で噛み付いて、「あっ、ごめーん!」と言った具合に離れ合う。

今、巷で大流行のスキンシップがこれな?


それじゃあ、ゾンビは何を食べて生活をせているのかと言うと・・・

意外や意外、結構草食系なのね。

そこらの雑草を頬張ったり、紙だの雑誌だのをムシャムシャ食べたりしている。


まあそんな馬鹿な連中からさっさと餓死してくたばったいったんだけどさ。


ゾンビが餓死なんて・・・なんだかなぁ。


まぁ、生きていくには栄養がいるんだから当たり前っちゃ当たり前だが。



次に多いのがペットショップの魚や、ケージに盛り合わせたドッグフードを食べて生活しているやつだったな。


水槽に顔突っ込んで出られずに窒息死するお茶目なゾンビも度々見かけたし、野生化した犬に餌を取られた腹いせに噛み殺される事案も多発していた。


ゾンビが窒息死て・・・いや、もう何も言うまい。



この他にも冬になったら凍死するゾンビもたくさん居たし、寒さで動きが鈍くなった大半の奴らは餓死して動かなくなっていった。


どうも寄生されると、体の内臓の動きが鈍くなるようだ。

そのため、代謝が落ちて怪我してもなかなか治らずに腐らせてしまったり、

体温調整も効かないから熱中症で死んだり、

体温が上がらず、動けなくなる奴らが沢山いた。


俺ですら去年の冬場は、嫌いな日光浴で体を温めて生活していた。


ゾンビは案外、弱い生き物だった。



やっぱり気になるのは、ゾンビ達のお馬鹿さ加減で、考え無しにあーあーしているから、食事も取らずに動かなくなるモノも少なからず居た。


どうも賢いゾンビと、そうでないゾンビが居るようで、

賢くなれなかった奴からお亡くなりになられていった。


現在生き残ってるゾンビはみな、頭を使って生き残ってるエリートゾンビだけさ。


世の中って世知辛い・・・。



そんなエリートゾンビの食生活と言えば、

スーパーやらドラッグストアなどで

ドッグフードやキャットフードは勿論のこと、

カップの乾麺やら生米、レトルト食品フリーズドライ食品など、

今尚生き残ってるかもしれない生存者泣かせのインスタント食品生活を送っている。


どうも包装のビニール袋が開けられるかで明暗が分かれたようだ。

缶詰めは未だセーフだったけど。


しかし、賢いゾンビ達でも太陽の光は大敵で、

ただでさえ腐る寸前の体を日光に晒すのはそれだけでも危険で、

良い感じに温まって腐った身体に蛆が湧き、内側から食い殺されて死んでいく場合もさもありなん。


兎にも角にも、夏場の日中に出歩くことなど、

言葉にしないが生き残ってるゾンビ達にはご法度なのだ。


・・・そういや偶に「うーあー」言うだけじゃなくて

「タースーケーテー」みたいな感じで言葉を発するゾンビも居たな。

でも話しかけても反応してくれないし。

ちょっと怖かった。


言葉を発するゾンビを始め、今生き残ってる賢いゾンビ達は

どういう訳か体の状態がまともな者が多かったので、

頭が馬鹿にならない為にもお肌ケアが必須なのかもしれない。


あー本当、なんでこの暑い中出歩くなどと言う自殺行為を・・・

えっ、なんで俺はこんな暑い中を歩き回っているかって?


そりゃ、つい十数時間ばかし前は大っきなビルの2階ぐらいで、

日中は涼しい格好で眠って過ごし、

夜になったら街に出て食品類ほか健康食品、

美容液、化粧水やお肌に良いサプリメント、

取り敢えず健康に気を使いまくった上で食料を求めて街に繰り出す生活をしていた。


そうやって日の出ている時間帯を避けて過ごしやすい夜に活動して、

生きる為に必要な食料は元より、身体を腐らせない為に健康に気を使う毎日。


朝は、と言うか夕方にバケツに貯めて置いた水、

日光で温められた水をタオルに吸わせて身体を吹き、汚れを拭う。

そして、全身にかけて保湿成分たっぷりの美容エキスでマッサージ。

健康食品やらビタミン剤などでレトルトに足りない栄養素を補う食料をし、

身体が温まって来たら行動開始。


明日食べる食品と生きる為に必須な飲料水、

化粧水や化粧品、ビタミン剤、健康食品、

兎に角必要だと思うものをかき集め、拠点に帰ったら朝方まで適当に暇を潰す。


明日入浴する分の水を西日の射す方の窓際に置いておき、朝日が昇る頃には部屋を暗くして就寝、そんな日常。


ゾンビを見つけたら適当にスリラーしてお仲間である事をアピール。

最近のゾンビは賢い奴が増えたからスリラーしとけば勘違いして他の生存者を探すか食料を探すかするさ。

ゾンビが言うんだから間違いない。


やがて街を彷徨うゾンビも少なくなり、生活が落ち着いてきていた。

そんな矢先に奴らが来た。


「此処に、我々の国を建築する!」


寄生虫の脅威から逃れた生存者達である。


俺が根城にしていたビルの近くで数人の生存者がウヨウヨして居るのを目撃した俺は、

面倒毎を避けるついでに、これから夏にかけての暑さ対策の一環として

涼しそうな場所に移る為に夜な夜な街に飛び出したのだ。


だって俺しがない一匹ゾンビだし。


生き残りの人間ですら残った食料でいがみ合ってるらしいのに。


最悪、いきなり出てきた不審人物は容赦なく射殺。

危険性が無いか確かめる為に身体検査でもされた日にゃあの世行きさ。


そんな嫌な予感が頭をよぎる。

世の中って世知辛い・・・


そういった訳で、問屋で見つけた怪しげな白い防護服を身に纏い、

溜め込んだ食品類を原付きに積めるだけ積んで、

人目を盗んで夜逃げして新しい拠点を探し始めた朝方、

声高々に聞こえてきたのがこのセリフである。


「此処に、我々の国を建築する!」


遠目で見ると、戦車の様なモノや軍用車両見たいなモノも集まってきている。


いやー、さっさと出て来て正解だった。


見つかっていたらどうなっていたことか・・・


ゾンビはゾンビらしく、街を彷徨うのがお似合いなのさ・・・


・・・そう、思ってたんだけどな。


「あ、危ない所を助けていただき

ありがとうございます!」


暑さに気が滅入って、距離も開けたし、そろそろ何処かで太陽の光をやり過ごそうかと思い、目に付いた4階建てぐらいのビルに忍び込みんで・・・



なんか、女の子を拾った。


いかん、書きかけてる最中に飛び足してもうた。

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