ミドルフェイズ3: 墓穴を掘った人たち
TRPGの醍醐味の一つ、演技という部分にも目を向け始めたPLたち。
無理なく、楽しく、演出にあわせてキャラクター像を作って行きましょう。
森の中の分かれ道。さて、どちらにいこうかな?
GM: さて上と右に分かれ道になっているけど、どちらに行こうか?
ドリドラ: 真っ直ぐ行こうぜ!
蓮: そうねぇ。どっちが正解か判断理由も無いから、まずは真っ直ぐでいいかしら。
ドリドラ: 直進っ!
GM: ではお二人さん、[危険感知]をどうぞ。
ドリドラ: おっ、また何か隠れてるのか!
蓮: [危険感知]は【感知】だから……14よ。
ドリドラ: 俺は12だぜ。
GM: では、二人ともこんな事に気がつきます。この先の道の土の色に違和感がある部分があります。
蓮: ……もしかして、落とし穴?
GM: 正解!
ドリドラ: おぉ! そんなのもあるのかー。
GM: アリアンロッドのPCたちを待ち受ける障害は、何もエネミーだけでは無いという事ですね。「落とし穴」などの罠も行く手を阻みます。
ドリドラ: でも、今回は気がついた。よし、落とし穴を回避して進むぜ。
GM: では、その先に進むとがらの悪い数名の男達が居ます。手には剣や槍、そして……。
蓮: これは逃げるべきかなぁ?
ドリドラ: 剣や槍は食えないなぁ。「なぁ、クマはどこだ?」
蓮: 話しかけちゃった!? えーと、私はちょっと逃げたい~。
GM: ドリドラに話しかけられた男が答えます。「アンちゃん、嬢ちゃん、クマ探してるっペか?」
蓮: あれ? 案外怖くない人たちだったのかな?
ドリドラ: アンちゃん……この男、俺のことをアンちゃんて呼んでくれたぞ!
蓮: 大抵の人はチビかガキかだったからね。
案外、小さい身長を気にしていたドリドラであった。
蓮: クマがどこに居るのか知っているんですか?
GM: 男達は相談すると「たぶん、こっちじゃなくて、もっと森の奥だぁ」と言います。(矢印をマップに書く)
蓮: そうですか(笑)。矢印、ヒントをくれてるんですね。
ドリドラ: ところで、あんたら誰だ?
蓮: あっ! 確かに……森の中って危険だから、皆入ってこないんだと思ってたのに。
GM: 良く見ると、男達はボロい格好というだけでなく、怪我をしたりしてボロボロです。
ドリドラ: ん? 何かと戦ったとか?
蓮: ボロボロで武器を持ってて、人が入らない山にいるって……山賊とかだったり(笑)。
GM: 「な、なんでそれを!」「ば、ばれた!?」「くっ、このツルペタ狼っ娘、侮れネェ」と口々に。
ドリドラ: 本当に山賊なのかよ!(笑)
蓮: ……とりあえず、三人目に一発撃ち込もうか(超笑顔)。
GM: 山賊?たちは、武器を手に構えますが……グゥゥウっと音がします。
ドリドラ: あ、腹の音?
蓮: ……ねぇ、ドリドラ? こいつらに果物上げてもいい?
ドリドラ: まぁ、腹減ってるみたいだしな。あと本当に山賊か分からんし、いいぜ。
GM: 腹の音とともに力尽きた男達は地面に座り込みます。「腹が減って力が出ネェ」「くっ、もはや、これまでだっぺ」「美少女の弾丸に貫かれるなら本望」
蓮: だから、三人目! やっぱり倒そうかしら……。
ドリドラ: おいおい。まぁ、こいつでも食えよ(果物をひょいっ)。
GM: それなら、山賊たちは「ほ、本当にいいのか?」と言ってから、果物を貪り始めます。
さて、ここで山賊たちは身の上話を始めます。
「俺たちはまだ悪い事は何にもしてネェ」
「実は、俺達は近くの村で農夫をしてたんだが、獣が畑を荒らして食うに困って山賊団に入ったんだが……」
「でも、この森で親分がクマにやられちまったんだっぺ」
ドリドラ: こいつらもクマの被害者って事か……。
蓮: とりあえず、食べ物と今持ってる少しの金貨を渡します。街へ行って今度は真っ当な仕事を見つけてください。
ドリドラ: なんか、蓮が凄い聖女っぽい!?
GM: おー、いいですねぇ。TRPGやっていくと、こういう演技が段々楽しくなってくるんですよ。
蓮: なんか、恥ずかしいけどね。
GM: うんうん。「おお、アンちゃん。お嬢ちゃん、あんがとな。お礼にこの箱をやるよ。鍵が掛かっていて俺たちじゃあけられなねがったんだぁ」と食べ物の代わりとして男達はあなた方に手持ちの「毒消し」と小箱を渡して去っていくよ。
ドリドラ: うむ。改心してくれるといいな。
蓮: ところでこの小箱開けられるの?
GM: 「鍵A」が掛かっているので、[トラップ解除]をすれば開きますよ~。
ドリドラ: じゃー、あけようぜ~。
蓮: 玉手箱じゃないわよね(笑)。
鍵開けに成功した二人は中から「理力符」というアイテムを手に入れた。
蓮: あ……。
ドリドラ: どうした?
蓮: そういえば、さっきそこに落とし穴あったの伝え忘れたなって。
GM&ドリドラ: あー(爆笑)。
という事で、もと来た道を戻ると落とし穴にはまった山賊たちと再会。
なんとも言えないオチと再び二人に助けられた山賊たちは、「もう山はこりごりだ」と街へと降りていったのでした。
GMメモ:
街で情報を収集していたら、最近、山賊もでるらしい。などの情報も得られる予定ではありました。
まぁ、今回は知らなかったからこその流れでしたが……。
さて、演技によって山賊とのイベントは解決されました。
ここで食べ物をあげなければ、山賊?たちは、二人が持っている果物に目をつけて襲い掛かってくるはずでした。
しかし、PLの対応でGMが柔軟にシナリオを変更できるため、戦闘になるのか、それとも他の方法で解決するのかを臨機応変に使い分けられるわけです。
自在に変化するシナリオもTRPGの面白い所ですね。
さて、漸くクマへの手がかりを見つけた二人。
次はついに決戦へ?