story:0 表明されない懺悔
暗闇の中に浮かぶ顔を見て、心臓がはちきれそうな程激しく鳴り続けた。
「お前が均衡を崩したのだ。」
次々に現れる顔が声をそろえて言う。
「お前が新たな世界を生み出したのだ。」
全て知った顔だが生気のない表情で、白目を開けて囁く。
「お前が私たちを殺したのだ。」
私に何をさせたいのか。私は何をすべきなのか。
がむしゃらにやってきたら、後に残ったのは少しずつ蝕まれていく世界。
平穏な生活を壊し、自分の都合のいいように世界をかき乱していた。
それが必要なことだと自分に言い聞かせて、今日まで生きてきた。
否定はしない。私の存在が世界の均衡を崩したのだと。
謝罪はできない。私は自分の信念の元に行ってきたのだから。
だけど信じて欲しかった。
共に過ごしたあの日々、私は心の底から笑っていたのだと。
皆のことが、大好きだったのだと。
許さなくていい。
でも、信じて欲しかった。
暗闇の中に浮かぶ顔を見て、心臓がはちきれそうな程激しく鳴り続けた。
「お前が均衡を崩したのだ。」
次々に現れる顔が声をそろえて言う。
「お前が新たな世界を生み出したのだ。」
全て知った顔だが生気のない表情で、白目を開けて囁く。
「お前が私たちを殺したのだ。」
目を閉じて、唇を震わせて、こう答える。
「そう、私が殺したのだ。」
と…。
涙を流すことなく、謝罪の意を示すことなく、ただ、認めるだけでよい。
まだストリーに入っていませんが、今後話が進むにつれ重要になる主人公の心の中の想いをプロローグとして載せました。




