【5話】生徒会
勢いよく開かれる生徒会室のドア。すると、そこには、長机を5台並べて置いてあった。さらには、机の上に一人一人の名前が張り付けてあるプレートが置いてあった。
「失礼しまーす」
「し、失礼します・・・」
と、二人で挨拶を終えた時だった。机の上に男性がダイナミックダイブをかましていったのは。
「あら、いらっしゃい」
部屋の奥からは、何事もなかったかのように落ち着いてる様子で出迎える女性がいた。
「み、美波・・・。俺じゃ、だめなのか、よ・・・」
「黙れ、変態」
前言撤回。どこが落ち着いてんだ?
苦しそうにしゃべる男性はゆっくりと体を持ち上げて右手を必死に伸ばしていた。
が、そんな努力も空しく、女性に無視される。無視した本人は、再び落ち着いた様子(?)でこちらを見る。
「まったく・・・。こんなところを見せてしまって、ごめんなさいね」
「お、俺は大丈夫ですが・・・そちらで倒れてる方は?」
と、今さっきまで耐えていた男性も遂に力尽きたようで、ぐったりとしていた。
「あー。いいのよ、彼は。すぐに起き上ってくるから。そんなことより、とりあえず座って頂戴?」
軽く手で案内しながら話す女性。取り敢えず、倒れた男性のことは忘れて、言われたとおりに、自分の席に着く。
見ると、左隣にシャネル。右斜め前に女性。そんなことを考えていると、コホンと、小さな咳ばらいが聞こえたので、反射的に聞こえた方を向く。
「じゃあ、一人足りないけど・・・いいわよね。私の名前は紅葉美波。一応役職は生徒会長をやらせてもらってるわ。二人とも、よろしくね」
最後にクリームブラウンの髪を揺らして笑顔を見せた。
その笑顔を見ると、改めて、ここまで来れたんだ。という実感がわ湧く。あの約束を果たせた達成感が体を満たしていくなか、シャネルが深呼吸を一回していた。
「そ、それじゃあ、次は私が」
シャネルが、肩ぐらいまで手を挙げ、口を開いていた。
「私は、悠木シャネルと言います。シャネルって、呼んでください」
黄金色の髪が、シャネルが微笑むのと同時に輝く。それは、何時か、公園でこの子のような子と遊んだ時に見た笑顔に似ていた気がした。
しかし、その時の記憶も淡く、また、前後の記憶もすっぽりと抜けてしまっているためあまりよく覚えてはいなかった。
一様、ここまで。
今回は、賛否両論、あるかな・・・?