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【19話】パエリア……vs

「おい、二人とも急げ!」


悠二が慌てている!


「どうした!」


慌てて答える!


「時間が―――」

キーンコーンカーンコーン。


鐘が鳴り響き時限の終了を知らせる。結局、料理を作る暇がなく明日に予定を移すこととなった。


翌日―――


「うまっ!!」


 実習室にいる皆が口々においしいと言っている。

 実際、皆が言っていることに自分自身も、うなずく以外なす術がなかった。 

 米本来の香りを残したままさらに、魚介類のうまみを。そして、何種類もの香草の香りが口いっぱいに広がる。指で数える程度しか食べたことはなかったのだが、これが本格的な。否、定評を持つ料理人が作るほどのレベルだと、パエリアの素人から見ても分かる。


「やるな佐川。一食……650円か?当日も付きっ切りで頼んだぞ」


「任せとけ。料理は好きだからな」


 確かに、佐川君の料理の腕前は認めるを得ない。だけど、俺だってそうそう引けをとらないと、自負しているんだ。だから!


「俺も、つくってやんよ」


 佐川君に良い所を見せさせる。そして、その上に俺が行けば……

 半ば、本能的に立ち上がりそういう。すると、クラスメイトの目が冷やかに注がれる。……心配されてる?


「瞬、作れるのか?」


まるでクラスを代表したのかと思えるタイミングで言って来る。釣られる様に皆もできねぇだろや、無理でしょー、と言っている。つか、学年1位を誰と弁えてる?俺だぞ。なんだってできるんだ、多分。


「大丈夫だよ、任しておいて。昔義理姉(ねえ)さんとよく作ったものだから。最近だと、香織や咲に作ってやったしね」


「咲ちゃんにですか!?」


突如、後ろで沙夜が立ち上がる。慌ててそちらを見ると額に少し汗を浮かべていた。


「はい!中学の頃に何度か同じクラスだったので……咲ちゃん、うらやましいなぁ……」


「え?なんか言った?」


 後半が聞き取れずつい聞き返してしまう。沙夜は顔を赤く染めで咄嗟に手を振って否定した。


「な、なんでもないですよ?」


「そう?……じゃあ、ケーキ作ってくるよ」


それだけ言い残し、手を洗い、材料を確認して作業を開始する。まずは、薄力粉を計って―――


20分後―――


「おい瞬、そろそろ時間ねえぞ」


悠二が時計を2,3度見て注意を促してくる。まぁまぁ、待ちたまえ、こっちは家でスポンジケーキ焼いてきてるんだ。あとは、苺をっと。


「よし、出来た!」


完成したショートケーキを見ていう。すると、クラス全員が寄ってくる。―――中でも、沙夜がダントツで早かったのは言うまでもない。

 ケーキを一人分ずつカットして盛り分ける。各自とって食べていく。

 最初に食べた悠二は……何故か泣いている。


「ほ、ほいひいですぅ」


と、沙夜もモグモグと口を動かしつつ、半泣き状態になって喜んでいた。気が付くとクラスメイトがそろって泣いていていた。な、何が!!


「ちょ、ちょっと皆何泣いてるの?」


 声を出して泣く奴に一人机に突っ伏しつつ泣く奴。挙句の果てには意識を飛ばしてる者すらいる。


「いやな、変態で、顔も終わってるお前がこんな美味いケーキを作れるとなんて、夢にも思わなくて……皆もそうだと思うぞ」


 悠二が代表していってくる。そして頷くクラスメイト。ん?俺が学年1位ということ忘れてない?


「いや、おかしいよね、ね?つか、まずなくのやめようぜ?」


 と、焦って止めにかかる。しかし、誰一人泣き止む気配を見せない。肩を落として諦める。でも、一体俺がどんな奴だと思ってるんだろうか?変態?

 まぁ、否定はしない。

 キーンコーンカーンコーン

 鐘が鳴り響く。それすらも聞こえていないのだろうか。みんなは鳴きながら揃って苺を食していた。


「……皿洗い、すうから皆行っていいよ」


口を動かしつつ動かす頷く皆を見て再度溜息を吐く。まぁ、喜んで貰えたなら何よりか。

ここまでで、戦闘が2回程度。さて、この物語はファンタジーなんでしょうか?自分でも悩みです。でも、もう少し、もう少しお付き合い願います。

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