表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/22

【18話】帰路

「えーっと、エビにアサリ。あとは、烏賊とかもひょっとして買っていった方がいいかな。んー……無いな。よし、レジいこー・・・っと、ん?」


徒然しゃがむ瞬!

そこに有ったのは!!


「エロ本き……たけど……。俺の趣味じゃないな、置いとこ」


熟女が描かれた本をそっと置くと、瞬は、何事もなかったかのように歩いて行った。



「何で、俺は厄介なことが多いんだ……」


 小さくぼそりと呟きレジを通る。一人ブツブツ呟きながら歩いていたから途中何度か心配されてしまった。何を心配してるんだろうか。

 代金を支払い袋に買ったものを詰めて先程の玄関へと向かう。

 悩みは山積みでも二人を待たせるのはよくない。加えて、今は一応授業中という事なんだから、油を売るのは学年1位のすることではない。

 玄関にはすでに買い物を終えた様子の沙夜が一人PGFプレイゲームポータブルで立ちながら遊んでいるようだ。……不要物じゃね?

 ボタンを押す指の残像すら見える。そこまで速くては処理が追いつかないだろう。そんなことはお構いなしに集中しているためか、まったく瞬には目もくれずに画面と向き合っていた。

 そんな沙夜に話しかけるかどうか、迷っていると突然、「瞬、邪魔だからどけろ」と、後ろから悠二がやってくる。


「うわっ!」


 沙夜を見ているのに集中していたため、驚いて振り向く。


「!?……いやぁぁぁぁ!!!!」


 直後、沙夜が俺の驚いた声に驚いたのか肩を小さく動かし驚いたと思えば、悲鳴が聞こえた。

 まさに、負の連鎖というべきなんだろうか。瞬との驚き。というより、絶望が圧倒的に違ったが。


「あ、あの……沙夜?」


「なんでぇ、なんでブレスはくんですかぁ……こっちが太刀だと知ってぇ……ガードできないのにぃ……」


 瞬の知っている声とは違った細い声が絶望を伝えてきた。悠二共々、二人で首を傾げ、再度声をかける。


「さ、沙夜……大丈夫?」


 膝上10cmと聞いたスカートからだと、膝が見えるため、普通なら膝をついてコンクリートに座らないだろう。しかし、一切気にしてないところから見ると、相当な絶望なんだろう。そんな状態の沙夜に、返答の余裕はないだろうと思って待っていた。


「………………大丈夫ですよ?」


 たっぷりの時間を取ってから沙夜は何事もなかったかのように答えた。

 しかも、顔はいつもの笑顔を浮かべていた。


「え?本当?」


「はい。そろそろ帰りましょうか」


 先程まで、絶望に身を染めていたにも関わらず一瞬でここまで立ち直ると、流石に二人で再度首を傾げてしまう。

 しかし、傾げたままでも、一人スタスタと歩く沙夜を行かせるわけにもいかずすぐに揃って歩き出す。


「リセットしちゃえば、問題ないんですよ~」


 追いついたところで、沙夜は二人で悩んでいたことが分かったのか、そう言ってきた。それは、負け惜しみというよりは……次の戦に向けて作戦を練り始めていた司令官のような雰囲気を感じた。

 そんな雰囲気に押され、思わず頷く。


「そ、そっか……ちなみに、何のゲームしてたの?」


「今はやりの、ゴーストハンターですよ~」


「あ、ゴスハン?俺もやってるよ」


 昨晩も新作エロゲが届くまでの間に進めようかというノリでやっていたのだが、エロゲの販売が延期となり、狩り漬けの夜だった。


「本当ですか!?今度やりましょうよ」


 目を一気にキラキラさせて、顔を近づけてくる。本人は無意識の内なのだが、先程の件とも重なりこちらとしては、なんというか……照れる。

 だが、そんな照れは何とか抑えて口を開く。


「もちろんだよ、桜花祭が終わったらね」


 自分としては分からないが、傍から見れば顔が赤くなっているんだろうか。自分でも顔が熱いのが分かる。それでも、フラグのためにも必死で頑張る。


「絶対ですよ?」


「うん。男に二言はないさ」


 そう言うと、沙夜は嬉しいからなのだろう。スキップを刻みつつ先に行ってしまった。

 次いで、悠二のことを忘れて、呑気に沙夜を瞬が追いかける。


「ったく……お似合いだよ……でも、咲ちゃんがなんていうかだよな」


 二人をあとからゆっくりと追う悠二はそう言っては溜息を1つ漏らしてから少しだけ早足になった。



 それ後、校門をくぐり実習室へと向かう中、瞬はメールの件。そして蒼也の件を忘れ、勝手に描いた未来だけを描き、笑みをこぼしながら青空を見ていた。

拙い文ですが、沙夜フラグを作者としても立てたいのです!


そして、そろそろ、この物語の概要も……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ