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【17話】道中

律子「ったく、菓子は買ってきてもいいが200円までだからな?」

瞬「エロ本は菓子に含まれますかー?」


校門をくぐる際に思い出すクラスメイトの痛い視線。忘れよう。

「私、好きです!!」


「マジで?」


 如月さんが、突如意外なことを言って来る。俺も勿論好きなのだが、女子からはあまり好かれていないと勝手に想像していたためつい、聞き返してしまった。


「本当ですよ。だって、美味しいじゃないですか、ナス」


「田楽とか、俺は好きかな」


 あのほろ苦いあたりなんだろうか?俺はまさにそこなのだが。


「如月さんはナスのどこら辺が好きなの?」


もし、如月さんもほろ苦いところが好きなのであれば語れるな。そんなことも考えながら問う。


「そう、ですね……やっぱり、ほろ苦い所です。……ところで、瞬君」


同意見に喜びつつも、呼ばれたので聞き返す。ナスの美味しい食べ方だろうか?


「ん?何?」


「そ、その……私のこと、如月さんじゃなくて名前で……呼んでくれませんか?」


 一年前、数学が得意ということで、悠二と共に勉強を教えてもらった。そのおかげで今はこうして5A組で勉強で来ているのではあるが。

 その、勉強を教えてもらった時以来親しくなり、今へと至っている。

 そんな如月さんの頼みとなると断る理由がない。というより、断りたくない。


「わかったよ、きさら……さ、沙夜」


いきなりは自分としても照れるのだが、少しぎこちなくだが笑顔を作り沙夜を見る。つられる様に沙夜も笑い、二人でしばしの会話を楽しんだ。

 ……そう、悠二を忘れて。


「仲がよいのは俺としても喜ばしいことだが、もうすぐスーパーだぞ。さっさと買いもの済ませて帰るんだからな」


 コホンと、わざと咳を払ってから悠二がそう後ろから言って来る。

 すぐさま、振り返ると悠二の下へと駆け寄っては耳打ちをする。


「なんだよ悠二。折角フラグ建築チャンスだったのに」


「んなのゲームじゃあるまいし・・・。でもまぁ、有るとしてもとっくに立ってると思うがな。ま、俺にはどうでもいいことだし、さっさと行くぞ」


 密やかに話したのにも関わらず悠二は、ため息交じりだが堂々と、躊躇いなく話してくる悠二。「どゆこと?」と、返された言葉の意味が一人解せずに悩むが悠二は先に歩いて行ってしまった。


「立ってる?何が立ってるんですか?」


 一人取り残されていた沙夜が急ぐ素振りを全く見せずにゆっくりと歩いてくる。


「い、いや特なにもないよ?」


 先程の悠二に話したフラグのことをまだ沙夜にばれるのはまずいと判断し慌てて答えスーパーへと急ぐ。

 しかし、急ごうとする瞬のTシャツの襟をつかんで悠二が止めてくる。


「ったく、いいから落ち着け。買い物の役割分担だ。俺が野菜とか米を担当するから瞬はパエリアに使うと思う海鮮食材に卵。如月は、簡単に団子作りたいから団子粉買ってきてくれ。いいな、二人とも間違えるなよ」


てきぱきと指示する悠二。暗記力は自分としては得意な方だと思う。それよりも、悠二の先導力は流石だと胸中思いつつ口を開く。


「了解したよ。お金も持ったし……いこっか」


看板に笑顔が描かれているのが特徴なスーパー。名前はまさにその通りのスーパースマイルに向かう。


「じゃあ、終わったらここで待ってろよ」


 互いに、玄関が集合場所と確認してから海鮮食材が売っているであろう場所へと向かう。

 先程のフラグの件が頭を過ぎる。目の前のエビやアサリを次々と買い物籠へ入れると同じに頭に入るはフラグの件。

 沙夜は俺の事が好きなんだろうか?いや、それはないか。口にはせずそう言って卵売り場を目指した。

1500字未満ですら疲れるとは、僕も衰えてしまったのかな・・・

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