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【13話】誓い

8月25日の朝は、とても―――

 そんな、シスコンみたいなことを考えながら、ふと時計に目をやる。すると、いつの間にか8時を回っているところだった。


「おっとやべぇ。ほら皆。早く食べないと遅刻するぞ。ほら、花織も」


 飲みかけの味噌汁を一気に飲み込む。次いでご飯。行儀は悪いがこの際、そんなことは言ってられない。


「さて、行くとするか」


 コップに注いであった水を一気に飲み干し、立あがる。


 食器を持って台所まで行き水に軽く浸してもどってみると、美波先輩と咲は準備が出来ているようだった。


「それじゃあ、私は先にいかせてもらうわね。咲さん、ご馳走様でした」


 微笑みながらそういうと美波先輩は身を(ひるがえ)し、先に行ってしまった。


「咲、俺達も行くぞ?花織も遅れるなよ」


廊下を歩きながらしゃべる。そのまま玄関でお気に入りの靴を履いて外に出た時、花織も玄関まで来ていたらしい。


「ハーイ。気を付けてね、お兄ちゃん。咲お姉ちゃん。いってらっしゃーい」


玄関で手を振る花織に軽く手を振りかえし歩く。


……ていうか……


「咲、さっきから黙ってばかりだけど、なんかあったのか?」


咲の肩に手を置いて聞く。それに反応するように、口を開いて答えた。


「……どこも悪くないよ。ただ……」


「ただ?」


 少しだけでも口を開いてくれたことに喜ぶ暇もなく、次の疑問が湧く。


 しかし、その答えはとうの昔に誓っているものだった。


「ただ、まーくんが、本当に美波さんの彼氏になっちゃって、遠くに行っちゃうような気がして……」


「……そんなことはないさ」


そう、そんなことは絶対にない。だって―――


「―――俺はハーレムを目指してるんだ。仮に美波先輩が本当に俺の彼女だとしても、咲は俺の大切な幼馴染だ。てか、もう、兄妹のようなものだ。んで、咲も俺のハーレムの一員なんだ。だから、だから……。俺が遠くに行くなんてことは無いんだ。ていうか、寧ろずっとそばにいられるんだから、な?」


 何時(いつ)、俺がハーレムなんてものを考え、目指したのか。そんなのはとっくに忘れてしまった。


 だが、理由だけは確かに俺の手の中に。そして、胸の中に刻まれ続けている。


 そう、俺の周りにいる人は幸せにしてみせる。俺を愛してくれる人ならなおさらだ。馬鹿にされたっていい。でも、俺の周りだけは、絶対にそうする。例え、どんなに厄介なことがあろうとも。


「ほんと……に?」


「ああ、本当だ。だから、安心していいぞ?」


 誓った日も忘れてしまった、周りからみたら馬鹿な夢。それを幼馴染(いもうと)に話すというのは、どこか照れくさい。でも、ありのままを話した。その為か、咲も一気に顔を綻ばる。


「うん!じゃあ、ずっとまーくんの側にいられるんだね。良かった~」


先程までとは打って変わって、喜んでいる。それだけでなく、軽くステップすら踏んでいる。そんなにうれしかったのだろうか?


「ほらほら、そんなにはしゃぐと、転んで怪我するぞ?」


「大丈夫だよ~。それより、私先にいってるからね~」


 スキップをしながら、咲は先に行ってしまった。


 一人残される形になった瞬は、咲の行動に苦笑いしつつも歩き出した。



「よき、友人だな」


 低い声が響いた時、一陣の風が強く吹き抜けた。

最初、なんか文へんな気がするな・・・

読まれますように・・・

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