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【11話】エロゲ

焔は、淡く消えゆく。

代償として、開かれるのは――――――

 微かに甘い香りが鼻腔を(くすぐ)り、まだ醒めない脳に広がって消えていく。加えて今、体には重すぎず軽すぎもしない、心地の良い重さがある。肩甲骨より、すこし低い所には軽く締め付けられているようにも感じられる。


 気持ちは良いが不思議に感じ、まだ重い瞼を無理やり持ち上げる。ぼやけながらに開かれる視界に最初に入ってきたのは、クリームブラウンの髪だった。手には、やーらかい。やーらかい。本当にやーらかい感触もある。


 意識は一気に覚醒する。


 結果、目はパチパチと秒速瞬き。……おかげで、美波先輩の異様に露出している姿この双眸で捕らえました。手は、勿論揉みつづけ。


 あ……これ、エロゲの王道パターンじゃん……


 意識が醒めきる最中、某エロゲを思い出す。


 ……ん?まてよ。こういうのって、大半この後……


「まーくーん。朝だよー。いい加減、起きないのー?」


     オワッタ……


 8時30分までが登校時間の碧桜学園。そして、今は7時20分。いつもであったら7時には起床していた瞬だったが、今日に限っては別だった。


 謎の倦怠感によって、無理やり眠らされていたようなものだった。目覚めてみれば、現実(リアル)エロゲ展開。嫌というわけではない―――というより嬉しい―――が、今は本当に別だった。


「ふわぁ……あら、起きてたの?瞬」


 美波が小さく欠伸をし、起き上がる。無論、俺を抱いていた形で起き上がるから、その……位置的には完璧?

 

 同時に、部屋の外からは足音が聞こえてくる。


 この部屋は2階にあるため、外への脱出は不可。一人、至高を巡らせる。


「あら、どうしたの瞬。そんなに慌てて」


そんな中、美波は瞬とは逆に落ち着いて動かなかった。


「そ、そりゃ、慌てますよ。てか、何で先輩がここに!?」


慌てつつも問う。足音は依然近づいているようだった。……今、階段だな。


「それは勿論、あなたの為よ?」


「……へ?」

 

互いに見つめ合うように黙っている中、足音が消えた。その代わり―――


「まーくん、入るよー」


―――ドアノブが回り、ドアが開かれた。そして、少し開かれたドアから、ひょこっと小さな顔が出てきた。


「まーくん。起き……な……」


 顔はそのままの位置で、ドアが勝手に開かれる。


 朝食を作っていてくれたのだろうか。エプロンを付けていた。


「お、おはよう、(さき)。今、起きるから待ってて?な?」


「……まーくん。どういう事」


駄目だ、聞こえてない。


 入口で直立不動の状態になると、プルプルと小刻みに体が揺れているのが見て取れた。……ん?右手光らなかった?


「さ、咲、落ち着け?な?」


「まーくん……何やってんのよ!」


右手でドアを殴る。殴られたドアは包丁が貫通し、外れて壁にぶつかった。


「お、落ち着け、こ、此れには深いわけガハァァ……」


 言い分けも空しく、何かが飛んできて頭に直撃する。直後、意識が反転し、再び夢の世界へ舞い戻っていった。

わーい。咲のお出ましだ~。


んでもって、みじけぇ~

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