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文化祭に向けて

―放課後教室―



四人目の悪友、龍騎と再開し次の日の放課後。正直来てほしくないイベントが近づいているために……クラス委員長――長谷川 菜月に捕まっていた。


「さっ、ちゃーんと約束は守ってもらうからね?」


「………」


「お~い、返事はどしたの?」


「………」


「あの事……(おおやけ)にしようかしら」


「喜んで協力させていただきます……」


「はい♪よく言えました」


「……この…猫かぶりめ………」


「……なにか言った?」


「いえ、なにも言ってません……」


「………」


ヤバい……つい口に出してしまった。視線が辛い……。


「………」


「………」


「ま、いいわ。とりあえず、二週間後にある文化祭に向けて頑張ってね――副実行委員長さん」


「………おう」


「さて、じゃあまず、今日決まった『メイド喫茶』なんだけど……」


「……どうした。そんなこわい顔して」


「あなたたち男子って、ホント変態の集まりよね」


「俺を含めるんじゃねぇ!」


確かに、俺も変態なのかもしれないが、春樹達とだけは一緒にしてほしくない。


「はぁ……変態男子が三人も女子より多いなんて最悪だわ」


「最悪とはひどいな。でもそうだな、女子が十四人に対して男子が十七人だもんな」


これでは、女子が部が悪すぎる。あっ、一応言っとくが俺はメイド喫茶には挙手していない。


「ま、嫌がってた女子の中に橘さんだけ『メイド喫茶』に一票入れてたけどね」


「アイツは面白けりゃなんでもいいからな。そうやつなんだよ」


お互いイスに座りながらため息をつく。多分、俺と同じ気持ちなんだろう。


「まあ、いいじゃねぇか。どうせ香里が女子の案に賛成しても男子の数には足りないんだからさ」


「………そうね。あ~……もういやだな~」


「……おいおい、だらけすぎだろ。いつものシャキッとした姿はどこに行ったんだ長谷川さんよ?」


いままでは全然絡んでなく、なんの説明もしてなかったが、本来は何でもできる優等生。先生、生徒からも人気者である。まさか、こんな顔があったとは思いもしないだろう。


「別にいいのよそんなの。どうせ、あなたしかいないんだし」


「さすが猫かぶり。知られた相手しか本当の自分を現させないとは………」


「……殴ってもいいかしら?」


「殴れるもんなら殴ってみろ。全部当たりゃあしねぇよ」


「………。それじゃあ、言い方を変えようかしら?殴らせなかったらあなたの仕出かした事を暴露するわ」


「すみませんでした!どうかお許しください!」


「う~ん、どうしようかな~?」


土下座を続ける……。にしてもヒデェだろ!人の弱味をこんなにまで……っ!


「あっ、じゃあ、美味しいって評判のメロンパンを奢ってくれたら許してあげる」


「それで黙っていてくれるんなら……」


「よろしい。では、またよろしくね」


「また、な」


一体これで何回目だろうか。

そろそろ学ばなくてはいけない。


「じゃ、文化祭、何を使うか出していきましょうか」


「ん~、とりあえず『メイド服』は絶対だよな。なんたって『メイド喫茶』だし」


「メイド服の数は半分でいいかしら?前半後半で入れ替わるから服も入れ替えで――」


「ああ、それでいいだろ。その方が金も使わないしな。次に食器とかは学校から借りるとして……男もまぁ……料理ができるやつがいるし……食材とかも決めないとな」


「喫茶なんだし、サンドイッチに紅茶、コーヒー、ミルクぐらいでいいんじゃないの?」


「……なんかそれじゃあ物足りないんだよな…………。あれだ、パスタ系の料理やデザート、アイスorケーキ的なのはどうだ?」


「別に構わないけど、アイスやケーキってどうするの?」


「アイスは市販のもので出すとして、ケーキなら俺が作ってやるよ」


「………え?」


「なんか、すっげぇ失礼だな。俺も愛のやつと少し菓子作りやケーキを作ったことがあるからな。ケーキは作った方が安いだろ」


多分………。まあ、少し量を調整すれば安く収まるはずだ。


「以外すぎてもう驚きを通り越してなんも思えないわ……」


「言わなくて結構だ。厳しいこと言われると心臓が握り潰されそうだからな」


「期待するべきなのかしら?」


「そこは期待して欲しいとこだ」


「じゃあ……期待しますん」


「どっちだ!?」


「それは、あなたが判断してね」


「いい加減だな!いい加減なこと言ってニコニコ笑うな!」


「んじゃ、今日はお開きね」


「急に閉めるのか!」


「それじゃあ、また明日ね海原くん」


「待て!せめてカバンを持たせてから追い払え!」


「はい、これ。じゃあね」


カバンを渡され、教室を固く閉ざされた。……長谷川はまだなにか用でもあるんだろうか?また自分の席で何かをしようとしている。


「………」


……ん?そういや、俺の弱味についてまだ話してないよな。俺は絶対話さないつもりだが……とりあえず、男どもに聞かれたら死刑は免れない、とだけ言っておく。


そうして、過去の過ちに顔をひきつらせ家に帰るのであった………。


……これでいいのだろうか、色んな意味で…………




適当っていいですよね………ダメですけど…。


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