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野郎共から逃げ切る方法

午前8時27分―――



あれから一晩が過ぎた。

昨日は結局水樹達と昼飯を食いに商店街へ行った。水樹に”預けた”カバンをとりにいってから…。


「おいまだ来ないぞ」


「いつもなら来てるはずだろ」


「まさか逃げたか?」


いま教室のなかでは俺を取っ捕まえるためにガヤガヤとしている……。


「……まったく」


昨日あのまま逃げなくてよかったなこれ……

さっき預けたカバンをとりにいったって言ったよな?実は野郎共が窓から退いたあとにもう1度2階にある自分の教室へ戻っていたのだ。もちろん階段は鉢合わせる可能性があるから外のパイプで登ってだが


「………ん?おっ先生が入ってきたか」


ガラガラっと音をたてて誰かが入ってくる。

現在時間は7時29分そろそろ皆を席に着席させる時間だ。


「はい、皆席に着いて~」


俺もそろそろ忍び込む準備してっと……。


「ちっ……海原のヤロー来なかったじゃねぇかよ?」


「おい香里?なんか知らないか?」


「なにも知らないわよ~?」


それゃそうだ、香里に何も言ってねぇからな。


「ってか言えるはずがねぇ………」


そんなこと香里に話してみろ………。絶対に悪い方向へ進む!!


「はいはい春樹くんもさっさと席に着きなさい」


「へぇ~い」


よしっ準備は整ったか!!

今から窓から忍び込むわけだがこのままじゃ先生に見つかるからな。


「あら?海原くんは来てないの?」


見つかっちまえばお説教タイムへはいっちまうだろう……。

かといって普通にドアから入るにしても春樹達のことだ……。先生を無視して俺を追いかけてくるに違いない。しかもどうせ俺の席は窓際つまり俺が隠れている目の前ってことになるわけだ。……ん?隠れてる場所?気にするな……。


「来た来た……」


つまりドアからは先生がいてもいなくても絶対に無理。だからと言って窓から忍び込むにしても先生に見られてはいけない。

それじゃあどうすればいいか?簡単だ………。


「月島先生」


「藤井先生?どうかされましたか?」


「先生に電話が………」


先生を1度教室を離れてもらえばいいのだ。学校には職員室にしか電話が置かれていない………。

つまり―――


「そうですか。じゃあ、皆少し待っててくれる?」


「「「「「は~い」」」」」


こちらから電話を掛けてしまえばそれで問題解決ってことだ。それに野郎共に話があるから居ないことは都合がよく一石二鳥ってわけ


「よいしょっと――」


俺は立ち上がり窓に手を掛ける


「おっす」


「「「「「どっから!?」」」」」


「窓から?なんでそんなに驚いてんだ?普通だろこんなの」


「いやいや………普通じゃないから」


おかしいな……?ここまで驚かれたのははじめてだ。


「ん?春樹かそれにおはよう男ども」


「えらく余裕だなカイ?」


「テメェ佳斗!」


「「「「「羨ましすぎんだよォォクソヤロォォォ!!!」」」」」


んなこと言われても……ってかいきなりすぎだ。


「………知るか」


「「「「「………」」」」」


………?なんか頷き合ってる―――そっかアイコンタクトってやつね


「まあまあ落ち着けお前ら」


こういう時は本当に面倒だからな。そういう時はこれが一番だ。


「俺のお気に入りの本を持ってきてやった」


「「「「「!?」」」」」


お宝本………いわゆるあれだ『エロ本』コイツらはコレにめがないからな


「ま、まさかカイ………」


「ああ、そこで交渉といこうじゃねぇか」


エロほ………なんか、連呼すんの嫌になってきた……。お宝本の方がいいな。

あ~…コホンッ気を取り戻して、つまりお宝本は交渉材料になるんだ


「この学校に2冊隠す。それを見つけたやつにその本を進呈しようじゃないか」


「マジでか!?」


「おっしゃ~!!」


すごく単純で助かるよ本当によ………


「でだ、簡単に説明するぞ。1つは参加条件として昨日の事は忘れてもらう」


「そんぐれぇかまわねぇよ!!」


「ああ!俺達が望むものはただ1つ!!」


「「「「「聖書だァァ!!!!!」」」」」


おっと、新たな呼び方が………。


「よし参加条件はいいな?ルールは………放課後のHRが終わって20分後までに見つけられなかった場合はお預け……。また俺の私物とする。この条件を呑めば参加を許す」


「「「「「参加させてくれぇ!!」」」」」


よほど自信があるんだなこのバカどもは………。

こんなことばっかしてっから女子からもあまり話しかけられないのでは?とも思ってしまう………。

いや……それじゃあ俺はどうなんだってことになるな?俺も言っちゃあなんだがコイツらとはぼ同類だかんな。


「………ま、いっか」


それなりに他のやつと違うとこが俺にはあるんだろう………。


「んじゃ次の休み時間は俺が隠す。だからお前らは3時間目が終わった後の休み時間から開始だ、いいな?」


「おうよ!了解だカイ!!」


「さてと俺達は佳斗が隠しそうなとこ予想してようぜ?そろそろ先生も帰ってくんだろ」


皆散らばり各自席に着いていく。廊下からもカツッカツっと足音が聞こえるどうやらちょうどいいタイミングだったみたいだ。


「ごめんね遅くなって。はぁ~まったくいやになるわね~……。電話に出たら切られるは……さっさとここに戻って来ようとしたら立岡先生に呼び止められるは………」


どうやら俺の電話以外でも時間稼ぎをしていてくれたみたいだ。ナイス!立岡先生!!あ、ちなみに立岡先生は体育担当の先生。最初に電話の知らせをしてくれた藤井先生は現代国語担当の先生である。


「あっごめんごめん!さて、今日からまた授業が始まるから……皆張り切って取り組むようにね!!」


「「「「「は~い!」」」」」


ま、色々しんどいがこれが野郎共から逃げ切る方法の1つである。人数次第じゃ実力行使といかしてもらうぜ。

さてと、この話なんだがな最終的な結果だけ言わせてもらう………。

やっぱりいいよな……『灯台下暗し』俺は教室のロッカーの上に置いただけなのに散らばる散らばる。最終のHRが終わってからも見つけられなかったために俺の勝ちだ。

ふっ、次もこの手でいくか?どうせ始まったばかりだ………。こんなことが何度あってもおかしくないからな。

こうして俺は無事に1日を過ごすことができたのであった。


「………そういや、明日からまた部活だな」





駄文で申し訳ありませんm(__)m

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