カノープスの姫と森番
改正版です
こちらが世界で唯一の“森”ですわ
でこちらがカノープスのメイン通りで国で一番大きな市場になりますわ
「あ!おばちゃんこんにちは」
「スピカじゃないか、久し振り!また買い物に来てくれよ」
「近いうちにね」
市民と仲がいいんだな・・・
えぇよく来るものですから・・・・・
でこちらが・・あ!あちらが・・・あの川ですが・・・・
日はもうすぐ沈みそうで夕焼けの空には真っ白な月が浮かんでいた。
「では今日はこの辺りで、明日にはネカル姉様がお帰りになられると思いますので、明日はお城の中でお過ごしください。」
「わかりましたでは本日はありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそお姉様が帰ってこられるといいですね」
「ほんとに・・・では」
「失礼いたします」
スピカは暗くなった城の廊下を執務室へと向かい歩いて行った。
コンコン・・・・失礼します
「アラフス様を案内してきました、明日にはお姉様は帰られますか?」
「うぅんむ・・・それがですね・・・」
「どうかいたしましたか?」
テクミネが渋っていると後ろからレグルスが現れた。
「俺が説明しましょうか・・・?母上」
「あぁそうしてくれ・・・」
「まずな、ネカルなんだが今日、俺が国の外れで見つけて連れて帰ってきた。」
「ほんとですか!?」
「あぁレグルスはしっかりやってくれた・・ありがとう」
「が!!しかしだ、ネカルが・・・
《私が逃げたのは謝るけどさ、アラフス様には会ったことがないし、だから案内役として回っている時の普段の彼が見てみたい!だからあと数日、私は帰らないことにしてスピカが案内しているアラフス様を数日分尾行させてもらうわ》
・・・ってことでスピカあと数日頑張ってくれ」
「え!?森は!誰が見るのよ」
大声を出したスピカの目の前には諦めきった表情の二人が目に入りスピカは諦めざるをえなかった。
「・・・・・・わかりました、失礼いたします」
「あぁ~あ」
廊下で小さく言葉が呟かれた。
そして小さな嗚咽と靴音だけが響いていた。
「またやってしまったな」
「しょうがないと言ってしまえばそれで終わりですが、今回は少しひどいですね」
「あぁスピカ、ごめんな」
「とにかく早くネカルとアラフス様が結婚すればいいんですが」
「あぁ・・・・今日はこれまでで大丈夫だよ、ありがとうおやすみ」
「はい、おやすみなさい」
ジリリリリリリリリリリリリリー
「あ~もうこんな時間昨日森に行けなかったからな」
スピカはまだ新米の森番であるために毎日森に行かなくてはいけない
しかし昨日は突然の公務で行けなく、これが数日続くといわれると行くのははやり朝か夜になる。
しかしこれから暗くなる夜はいくら慣れ親しんだ森と言えども危険がある、というわけで只今朝日もまだ昇らぬ早朝
「昨日泣いたせいで目が痛い・・・」
「でも森には行かないと昨日行けなかったから・・・騎士団の方には母上が話をつけてくれているだろう」
スピカは身軽な服装に着替えると、髪を今日はお団子にして走って森にむかった。
<あ~ぁスピカ頑張っちゃって、大変だね森番も>
城の屋根からマントに身を包んだ男の声が闇にとけていった
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