前準備
改正版です
――――コンコン
「誰だ?」
いつもの感じからは想定できないような厳しい声が飛んできた
「そうピリピリしないで下さい、私です」
「ルサスか何用だ?」
「第3の客間を使わせて頂こうと思いましてね」
「そんなに離れた場所・・・・・何する気だ?」
「なにちょっとした馬鹿国王の躾ですよ、ですから部屋全体に強力な結界を張りますので気をつけて下さいと・・・・一言ね」
「あぁ分かった、ところでスピカはどうする?まだ寝ているらしいが今日の一件で森がかなり荒れてしまったと聞く、夜にでも抜け出して行くと思うんだが?」
話が長くなりそうだと悟った侍従がルサスに椅子を差し出した
それに礼を言い、深く腰掛けた
「抜け出さないように、結界でも張って欲しいのか?」
少し悲しそうに言い放った
「あの子が夜歩くのは危険だ、今は気持も不安定で力を正しい方向に使えないかもしれない」
「女王様は親馬鹿だなぁ、でもその心配は今日限っては確かにありうるな」
さてどうしたのもかとルサスは腕を組みスピカの部屋に張る結界の種類を考えていた
「内側からは絶対に出られないような結界を頼む」
「今日のスピカは分からないから何かあっても怒るなよ?保険のために二重結界にしておくからな」
―――――誰も近づけるなよ
それだけ残してルサスは第三の客室へ向かった
「ふぅ・・・・」
テクミネはため息をつくと目を少しの間だけ閉じた
まわりにいた侍従はテクミネへの労わりの眼差しを向けた
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