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もう嫌だ、もう嫌だ。
そんなわけがない。これもまた夢だというのか。
でも、確かにそこにいる。あの時のヤモがそのままの格好で。
何だよ、どうしてそこにヤモがいるんだよ。
さっき、私は右手で、夢ではないんだろ。
仮想世界に連れて来られたのか、まさかあれが現実だったのか。
私は、私がおかしくなってしまったのか。何を見ているんだ。
すると、そこにいた友人がふっと幽霊のように消えた。
私は悲鳴をあげた。
「はい、今のホログラムです」
院長先生が先ほどまでヤモがいた場所を見ながら言った。
「ドッキリです、はい」
友人が再登場した。
「ドッキリじゃねえよ!」