第7話 学校とはそもそも猿山みたいなものではないだろうか
帰り道は帰り道で波乱があった。壁伝いに下がっているロープを愚太郎が握り器用に登る。
「随分器用だな」
俺が見上げながら言うと昂愚が呟く。
「愚太郎は頭の悪さを全てその有り余る運動神経で補っているからな」
「こうなると人と言うより猿に近い生き物だよね~。純度100パーセントの類人猿」
琴音もそう追従する。そ、そうかぁ……てか後ろにいる昂虞もキングコングだし、琴音はゴリラ女なんだから俺の周辺は猿山って事なんかな?
いや違う何で舞香をサル扱いしなきゃいけないんだ!彼女は女神だぞ。このカオスな地上に舞い降りた女神様なんだから。こいつ等と一緒にするのもおこがましい。
「ねぇねぇ!」
上から猿(愚太郎)が話しかけて来た。
「ついでに隼人のことも連れてってあげようか?」
「丁重にお断りいたします」
流石に即答してやった。俺まで猿の一味には入りたくない。しかし
「じゃあ私が」
舞香が答えてしまった。
「おっ舞香良いね~」
愚太郎は笑顔でするする降りてくる。コイツは何で女子を運ぶんだよ!突っ込みたくなったが舞香が良いなら良いか。
「グタロー。変なとこ触ったらプレスだからね」
それは本当にできそうだからダメだろう。
「はいはい心配性だな~」
愚太郎は足を伸ばして、舞香の胴体を器用に足で掴んだ。
え?
「行くよ~」
愚太郎はクレーンゲームのアームのごとく足で舞香の細く美しい胴体を掴むとするする上に上がっていく。
バカかコイツ。他の奴らならまだしも舞香を足でそんな扱いをするなんて、世が世なら市中引き回しの上打ち首獄門だぞ。舞香の身体はそのまま横になったまま上がっていく。風が吹いて小さなスカートが揺れている。そして俺はあることに気づいた。
「おいおい大丈夫かあれ」
「大丈夫っしょ。グタローあれで運動神経良いし」
「いやそうじゃなくて」
俺は琴音の顔を掴んで上に向けさせた。そこにあったのは舞香のスカートそしてその中にある秘宝の下着とそこから伸びる生足だった。
心臓が爆速になる。いや何でズボン履いてないんだよ!
「え?だってめんどくさくな~い?」
地の文の俺の思考まで盗聴するんじゃねぇ琴音!
健康的な色をし、太くもなく細くもないが肉付きは良さそうな足。そして太ももそして可愛らしい下着……そこに包まれているものについて思考を巡らせるのは良そう。この作品一応全年齢向けだしな。
しかしその俺の考えも甘かったらしい。他の男子が集まって眺めている。
「ハァ……ハァ……舞香ちゃんの足」
「パンツ良い色してるね」
「エッロこれは夜が捗る」
だからこれは全年齢向けだって言ってるだろ!変態ばかりじゃねぇかよ。
見ているだけならまだ許せたが……誰かがスマホを出している。おいおいこれを夜のおかずにするんじゃねぇ!
俺は怒りに震えてしまったが、それは他の人も同じだったようだ。
「ちょっとあまり人のパンツ覗いたり撮ったりするんじゃないわよ」
「ひっ」
聞き覚えがあるが怒りに染まった声だ。
震えながら見てみるとそこには琴音が居て盗撮藩の肩を掴んでいた。そして……
「たまや~!」
と叫んで思いっきり上にぶん投げた。
男はギャーと叫んで飛んでいきベランダに玉入れされてしまった。
琴音はパッパと手を叩いて「じゃあ次は……」
と言った時には昂虞も含めて誰もいなかった。俺も投げ飛ばされてはたまらないから逃げた。
男子皆で階段を駆け上がり、教室に飛び込む。
「やべぇやべぇよあのメスゴリラ。人を玉入れのボールみたいに……」
「だろ?俺様も力はある方だと自負しているが彼女には敵わない」
昂虞と仲良くなれて良かった。
「俺の名前はコングで良いぜ。そっちの方が呼びやすいし書きやすいだろ」
「そうだな。読者の為にもそうしよう」
そうして俺は昂虞改めコングと握手を交わした。
教室に入ると。
「やぁ遅かったね!」
愚太郎がよっと手を挙げている。遅くはねぇよお前のせいで人が投げられたんだぞ!
俺が引いていると舞香が手招きをしてきた。
近づくとそっと耳に口を近づけて。
「私のパンツ見た?」
と聞いて来たのだ。
「み、見ては無いよ」
流石に俺も男だそんな失礼なことは言えない。
「今日は勝負パンツじゃなかったから」
しょ、勝負パンツ?!突然の告白に俺の脳内リミッターは決壊した。




