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転生したら国を滅ぼす予定の悪役令嬢でした!?〜青写真どおりの破滅なんてごめんです!〜

私は水原 澄(みずはら すみ)。
22歳。都内の中小企業に勤める、ごく普通の事務員だった。

朝は満員電車に押し込まれ、昼は理不尽な上司に頭を下げ、
夜は誰もいない部屋でコンビニ弁当を食べる日々。

たまの休日に見たネット小説やラノベが、彼女にとって唯一の“現実逃避”だった。
物語の中では誰もが努力を報われ、悪意にはきちんと罰が下る。
 ――そんな世界を、どこか羨ましく思っていた。

その日も、いつも通りの帰り道だった。
車に気づいたのがほんの一瞬遅かった。

(……ああ、終わったんだな)

意識が遠のくなかで、なぜか涙は出なかった。
むしろ、どこかで「ようやく休める」とすら思っていた。

けれど――。

「……本当に、それでいいのですか?」

顔を上げると、そこには光が人の形を取っていた。
金の粒子をまとった、美しい女性。その瞳は深く、どこまでも優しい。

「あなたは、よく頑張りましたね。
 傷ついても、裏切られても、それでも人を信じようとした」

女神のようなその存在は、悲しげに微笑んだ。
まるで、澄のすべてを知っているかのようだった。

「あなたに一つ――“選択”を与えましょう」

「選択……?」

「ええ。あなたはもう、この世界では生きられません。そのまま…他の魂同様、穢れを落とし、次の輪廻を待ちます。けれど、私が提示したいのは、別の世界で“生き直す”ことが出来ると言うことです。
 ただし――そこは、すでにある“青写真”に基づく世界です」
女神が手をかざすと、白い空間の中央に、淡い青の光が現れた。それは、水面のように揺らめき、やがてひとつの“物語”の形を取る。

金色の髪、翡翠の瞳。ドレスを纏い、王宮の中心に立つ少女。優雅で、完璧で、まるで絵の中の存在のように美しい。

 ――クラリス・アルメリア。

 青の光は物語を映すように、澄の目の前で展開していった。

「……まって。これ……もしかして、転生先って……!」

「ええ。クラリス・アルメリアとして、生きてみる気はありませんか?」

「この子……国を滅ぼす“悪役令嬢”じゃないですか!!?」
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