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緑月の女神は、笑う

どうも、作者です。90話、最終回です。

90話、ちょうど三か月分ですね。我ながらよく書いたなと思います。そんな話はさておき、

ここまで見ていただいた方、今回が初めてかもしれない方。どなたもどうか、最後のお話をお楽しみください。

ん? この空間は、え~と、確か、私は店でみんなとお祭りだからとはしゃいで、食べて、特に何もせず眠ったような・・・?


「正解だよ、どうやら意識はしっかりしてるらしい」


げぇ、女神ィ!


「げぇはひどくない? げぇは? というか、喜びなよ、久々の再開なんだからさ!」


いや、そんな満面の笑みのウィンクで言われても。別にうれしくはない。


「え~、ひどいなぁ。せっかく緑の月に入ってからすぐに会いに来たのに」


それで、どうしたの?


「ま、いいか。何、単純に様子を見に来ただけだよ。僕が見てないうちにずいぶんと色々やったみたいだからさ。誘拐されたり、やり返したり。かと思えば王様に目をつけられたり、死ぬかもしれない仕事を引き受けて、頑張って乗り越えて、狼の主となったり、挙句の果て王様の兵士になっちゃうなんてさ。正直、ここまでやるなんて予想してなかったよ」


色々あったのは認める。でも大体私も予想外だよ。いや、依頼の件とか、マフィアのアジト襲撃とかは基本自分から行ったけどさ~。


ていうか、何で知ってるの? 確か緑月が見えない間は私のこと見えてないんでしょ?


「まぁ、他の女神はそうだけど、僕は()()()()()()()のは得意でね」


ふ~ん、じゃあ君しかできないんだ。


「まぁ、他の二人もそれぞれの方法で自分がいない間の情報は集めてるだろうけどね。私と違って眷属に聞いたりとかね」


眷属? って何?


「君のこと」


は、私? いや思い出した、そう言えばそんなことをモロゾフがそんなことを言ってた気がする。


「そういえば、そんな会話してたねぇ。まぁ、要は僕たち女神と話せる人のことを眷属というのさ」


なるほど、話せるだけで。でも眷属扱いは心外なんだけど。


「それは、私以外の二人に・・・いや、僕も昔はよくやってたんだけどね?」


まぁ、それは興味ないけど、とりあえず眷属の意味は分かったよ。ということは、他の二人の女神に眷属が何人かいるってこと?


「そういうことさ。何人かというか、片方はたくさんいるし、もう片方もそれなりにいると思うよ。まぁ推測だけど」


というか、つまり君には私以外に眷属がいないってこと。私も眷属扱いしないでほしいけど。


「ひどいなぁ、いないことはないよ? ゼロではないってだけだし、こうして君みたいに話したりしてないけど。僕ってば放任主義だからさ」


それってほぼいないってことでは?


「そうだね。ぐうの音も出ないや」


・・・変な空気になっちゃったじゃん。うん、やっぱり私のこと眷属扱いしてもいいよ。


「流石に哀れみから眷属カウントしていいよ宣言は傷つくんだけど」


まぁまぁ、いいじゃないですか。それで今日は本当に話しに来ただけなの?


「そうだね、本当に話しに来ただけさ。約束だろ?」


そうだね、そういえばそんな約束してた。君とお話しするって。


「でも、そうだね。前と同じ質問をするよ、この世界はどうだい? 海野ジョゼ」


・・・あの時は、なんていったか忘れたけど。うん、ただ死ぬよりはきっと良かったよ。この世界に来れて。辛いこともある、目を背けたいこともある。それでも、一緒にいたいって思える人がたくさんできたから。


「そうかい」


何でそんなにニヤニヤしてるのさ。


「いや~、君ってさ割と恥ずかしいことさらっといえるタイプだよね」


え、そう?


「そういうところ無自覚なんだ。ま、いいや、でもそう言ってもらえるなら転生させた甲斐はあったかな。」


まぁ、そこは少し感謝するよ。


「おぉ、君に感謝されるとは、いつぶりかな?」


私君のこと褒めたことあったっけ?


「さぁ、僕も覚えてないや。でもそうだな、褒められてうれしいし・・・何より、ここまで、頑張っていた君に、一つご褒美としよう、何でも正直に答えるよ」


え~? 本当にぃ?


「あぁ、誓って嘘はつかないと約束しよう! 僕だって、怠惰な君がここまで頑張っているのを見ていると、僕も何かしたくなったのさ」


・・・それなら、一つ質問するよ。


「いいとも」


私をこの世界に転生させた本当の目的は何? ただ、転生させただけじゃないんでしょ? 多分が私が楽に生きるだけなら、あんなに強い召喚獣は必要なかったし、いやすごくありがたかったけど。すくなくとも、私が()()()転生者じゃないのは、他の皆の反応で分かった。


「・・・やっぱり君を選んでよかったよ。怠惰なくせに周りの観察能力に長けている、僕との相性がいいのは、きっとそういうところなんだろうね」


・・・。


「あぁ、正直に答えるとも。まず、簡単に、僕が君を転生させた本当の目的があるかは、イエスだ。とはいえ、一度異世界の人間を呼んでみたかったというのも別に嘘じゃないよ」


やっぱりそうなんだ。じゃあ、


「その目的は、か。そうだね、今から何年か後、大きな戦いが始まる。私はその時のために君を呼び出した」


大きな戦い? どんな戦いなの?


「実はね、僕もその内容は知らない。ただ起きることだけ知っている」


じゃあなんで知ってるの? 神様だから?


「まぁ、知っている理由は神様だからで合ってるね。まぁ、それは教える必要はないかな? さっきも言った通り、私も起きることだけ知っているからね」


え~、でも、そのために私を? 何のために? 君が巻き込まれるの?


「いや? 私はどっちかというと観客さ。その戦いを見つめるだけの人」


え? どういうこと? じゃあ何のために?


「嫌だからさ、ただの観客なんてね。だまって見てるだけなんてつまらないだろう、それに・・・」


それに?


「いや、なんでもない。秘密主義者の僕にしては出血大サービスしすぎたね」


え~、でも私はそんな大きな戦い、参加しないと言ったらどうするつもり?


「その場合は何とかして説得してたかも」


かも? その言い方だとまるでもう参加するのが確定しているような・・・


「その通りだ。もう君はとうに()()()()()()()。言っておくが、君がここまで首を突っ込む羽目になったのは偶然さ。多少そうなるように誘導したところはあったけど」


・・・まさか。思い当たる節はある。そもそも、ギルマスからしておかしかったのだから。でも、じゃあ、その偶然というのは。


「色々さ、僕が誘導したのはせいぜいギルドマスター君に出会わせるところまで、それ以降は本当に偶然さ。でも、そのせいで君はきっと巻き込まれる。だって君は、友達を見捨てられないだろう?」


・・・そう、私は一体何をすればいいの?


「案外、簡単に受け入れるんだね?」


嫌な話だけど、だって君は、隠すことはすれ、嘘はつかないでしょう? それに逃れられないなら、進むだけだよ。


「そう、はぁ、本当に怠惰だとは思えないほど、君は強いね。逃げれることからは全部逃げるくせに、逃げちゃだめだと思えばためらわない。ちょっと怖いくらい」


そう思うなら、私を敬っていいよ。


「そうだね、少し尊敬しようかな? その話は捨て置こう。何をすればいいか、という話に関しては簡単。何もしなくていい」


何もしなくていいの?


「うん、それが君の天職だろ? さっきも言ったように、僕たちは蚊帳の外なんだ。元々、勝つ負けるの土台にすら立っちゃいない。もちろん、必要になれば僕から何か伝えるよ。でも少なくとも、数年は何も出さないと思うし、たまに話に来るとは思うけどね。まぁともかく、どのみちその時がくれば、()()()は勝手に動くさ」


・・・そう。じゃあ、だらだらしてればいいんだ?


「そうだね、まぁそもそも王様からの依頼とかはあるだろうけどね。とにかく、君は君の日常を友人の皆と過ごせばいいさ。それだけでいい。それに」


それに? さっきもこんなこと聞いたな。


「今度はちゃんと答えるとも、それに純粋に君たちの営みを見るのは好きだよ。楽しそうで穏やかそうだ。それを見るのは、私にとっても楽しみなことなんだ」


な~んだ。結局君が見たいだけじゃん。ま、とりあえず、いつも通りでいればいいのね。力入れて損したじゃん。


「切り替え速いなぁ、とにかく、何となく頭の片隅にでも入れといてくれ僕たちが動く時が来るってね」


わかった。とりあえず、頭のどこかに入れておくよ。うん、もう話すことはないよね、私はない。


「ま、そうだな。もうずいぶん話し込んだし、今日はここで終わろう。でも、また話そう! 僕の眷属! そして、いつかともに戦おう」


・・・うん、またその内・・・、・・・。





朝の陽ざしが、目に入ってくる。それと同時に、女神の最後の笑顔を思い出す。どこまでも楽しそうな笑顔と、たまに出る不敵な笑顔。


「おはよう、ウロク」


「おう、おはよう! お嬢!」


私は、二度寝に入らず朝の支度をする。


「珍しいな!」


「まぁ、たまにはね」


私は下に降りて、朝食を済ませた後、店を開ける準備をする。


「おはよう! 主殿!」


「おはようございます。お姉ちゃん!」


「うん、おはよう二人とも、それじゃあ、今日はもう店を開けちゃおっか」


二人はうなずいて、開店前の掃除をし始める。私もさぼりながら、掃除をしているふりをしている。


今日も、いつも通りの皆しか来ないだろうけど。こんなひっそりとしたところにある裏道の薬屋に来るのは。いやもしかしたら、新しい誰かが来るかもしれない。それがきっと、合図だろうけど。


店の扉が開く。誰か来たらしい。さて、今日は誰かな?


「いらっしゃいませ~、『ピーススリープ』へようこそ」


薬屋ジョゼは、今日もいつも通りだ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。

これにて、『三月裏道譚~怠惰な転生少女はひっそりと?~』は完結となります。二度目にはなりますが、本当に呼んでいただきありがとうございました。

ですが、ここまで読んでいただいた方がいれば、察していただけると思いますが、物語はこれで終わりません。そう、この話は前日譚、この物語には続きがあります。主人公は交代してしまいますが、ジョゼの物語は終わりませんので、また続きを見てくださる方がいればその時はどうか、またお付き合いください。あとできれば、どこかでジョゼたちの日常を別の形で書いていけたらと思うのでそちらもどうかお願いします。

最後に少しだけ自分語りをば。正直、本当に毎日投稿できると思わず半分ノリで始めたジョゼの物語がどうにか完結までもっていけて、自分でも少し驚いています。しかも、三か月。まさかできるとは。もちろん、少し先にはなるでしょうが、この物語と地続きのその物語も頑張って書きたいと思います。

ですので、そんな物語を読んでくれたあなたに、どうか謝辞を。本当にありがとうございました。

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